第19回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、8,750句、123団体、8,372人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
歯と口に関する微笑ましいエピソードや8020運動に励む様子が伺える様々な作品をご応募いただきました。
表彰式の様子は令和4年11月27日16:25より南海放送テレビにて放送されました。
第19回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、8,750句、123団体、8,372人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
歯と口に関する微笑ましいエピソードや8020運動に励む様子が伺える様々な作品をご応募いただきました。
表彰式の様子は令和4年11月27日16:25より南海放送テレビにて放送されました。
四代を表すのに大半を費やした後に出てくる犬歯。四代そろった丈夫そうな犬歯と、桃に歯が食い込む様子が目に見えるようです。林檎や梨ではなくて、桃なのがいいですね。桃の食べ方はもちろん、持ち方や美味しそうな表情までもがそっくりなのかもしれません。
ぬけた歯ではなく、「ぬいた歯」です。「根っこが長い」歯を痛みに耐えて抜いたのだ、という誇らしさと、青空にそびえ立つ「夏の雲」の力強さとが響きあっています。また、大人の歯に生えかわっていく未来への希望も、「夏の雲」のイメージに重なります。
10代後半から生え始め、全く欠如する人や埋もれたままの人も多いという親知らず。夏空にそびえ立つ「雲の峰」は、親知らずが四本全て生えてくる生命力と響き合います。親知らずの成長を受け入れ、自分の世界も「雲の峰」のように広がっていくのでしょう。
麻酔がしっかり浸透するまで、仰向けになって待っているのでしょう。治療が始まるまでの1分という僅かな時間ですが、心細く待っている1分はとても長く、くちびるまでしびれてくるようです。暮れそうで暮れない夏の夕が、いっそう時を長くさせるようです。
時間をかけてしっかり歯みがきをしていると、視界に動くものが……。ふと見てみると小さなクモ! もしかするとクモが嫌いなのかもしれません。部屋のすみなら寄ってくるはずもないのですが、慌てて歯みがきを終わらせたいのに、クモが気になって気になって。
虫歯予防のためにフッ素を塗り、地図を覚えた夏の日の午後が一句になりました。地図は社会の宿題でしょうか。フッ素湿布の後は30分ほど飲食ができませんから、もしかすると、その時間を使って地図が覚えられたのかもしれない、と想像できるのも楽しいですね。
歴代という大げさな言葉選びが、これまでの抜けた歯の歴史を感じさせます。乳歯が全て永久歯になったのでしょう。夏休みに、親と一緒に「歴代の歯」を見ているのかもしれません。灼けつくような「油照り」のエネルギーや生命力に、成長が重なっていきます。
待合で順番を待っているのでしょう。歯科医院ならではの、歯を削ったり、磨いたりする機械の金属音が聞こえてきます。ふと窓の外に目をやれば、庭に向日葵が咲き満ちています。太陽を浴びて輝く向日葵の黄色もまた、この歯科医院ならでは記憶となるのでしょう。
「いとおかし」は『枕草子』で清少納言がよく使う言葉で、現代風には「すごく素敵」くらいでしょうか。目の前にいる「歯がきれい」な人は友人か、はたまた好きな人か? 美しい歯で食べる、白いうどんとわかめの緑の対比も美しく、いかにも美味しそうです。
季語「雨休み」は、旱後の恵みの雨の日に、農業を休んで喜びを分かち合うこと。となれば、「歯固め」は、赤ちゃんが生まれて100日目に行われるお食い初めでしょうか。大家族が集まって成長を祝うという散文的になりそうな内容が、うまく十七音になりました。
「山滴る」とは、緑の美しさや鮮やかさがあふれるばかりに満ちた夏の山を言う季語です。健脚を誇る人物の山歩きの景でしょうか。この句の「滴り」には、苔などを伝わって落ちる山肌の滴りも見えてきます。冷たい水滴が心地よく歯にしみてきます。
「8020運動」ならぬ9020! ゆっくりと噛んで、美味しそうに飲み込んで、黙々と食事しておられる九十歳の方の姿が目に浮かんできました。その様子は、まさに、秋のここちよい気分「爽やか」そのものですね。「良く噛みて」、どうぞますますお元気に。
冬ざれとは、草木が枯れて、見渡す限りの風景が荒んだような寂しい印象をいう季語です。そんな冬のしんとした静けさの中で、どんな時を待っているのでしょう。親知らずを抜くのを待っていると読めますし、親の知らない時を過ごす子供をも想像させます。
ぐらぐらだった歯でしょうか。プールでわいわいと遊んでいる内に抜けてしまったのですね。探しても見つからなかった状況が「プール出た」でよく分かります。「歯のゆくえ」が分からない句はよく見ますが、歯に執着していない軽さに笑いがこみ上げてきました。
親知らずを抜くかどうかの相談なのでしょうが、わざわざ「会議」をすると大袈裟に言ったところにおかしみがあります。「夏の夜」に披露される親知らずを抜いた家族の体験談は、大変だったものから簡単なものまで様々。どんな結論になったのか気になります。
毎日しっかり磨いている習慣が感じられます。時間をかけて歯を磨く句は他にもありましたが、健康法の青竹ふみとの取り合わせにオリジナリティがあり、時間を無駄にしない精神もユニークでした。いささか長い十二分の歯みがきにもリアリティがあります。
ぐらぐらのまえばきになるシュノーケル | 坂下 賀子 |
上の歯ぐらぐら下の歯ぐらぐら 十才の夏休み | 田中 渚人 |
ねじれた歯針金しみるかき氷 | 白石 千畝 |
夏の夜はたらいている虫歯たち | 宮本 海璃 |
歯いしゃいき麻酔をうつとバナナ味 | 高木 佑樹 |
はみがきこわたあめみたいに あわだてよう | 片山 隼斗 |
夏休み歯を食いしばりスクワット | 早川 紅也 |
どうぶつえんペンギンの歯がこわかった | 木守 唯人 |
暑き夜手鏡で見た鬼のきば | 中村 優亜 |
ポリポリと朝どりきゅうりマヨネーズ | 田中 奏多 |
ぬけた歯をねる前なげる虫の声 | 小松 優月 |
しん1ねんぬけるとみせかけぶつけたよ | 森本 悠誠 |
はみがきはゆっくり一人夏のくも | 多田 らん |
夏休み十四本目の歯がぬけて | 本田 ひまり |
夏の朝目を細めながら歯みがきや | 西坂 吉平 |
歯をみがこうゼリーをほおばるカブト虫 | 由山 陸弥 |
せんぷうきかぜをかんじてはをみがく | 山地 りんか |
なつやすみぬけたりはえたりいそがしい | 田中 心絆 |
はがまえうしろになるブランコみたい | 中矢 華乃 |
みなみ風はぶらしかまずするめあかむ | 井上 蒼大 |
かまないと‼どよううしの日ほねささる | 中山 晴葵 |
歯科検しんゴム手ぶくろに汗にじむ | 加地 梨音 |
炎天や筆走らせる化石の歯 | 鴻上 晄人 |
夏の朝ハブラシとぼくぼさぼさだ | 渡部 晴基 |
は、ぴかぴかあさがおみながら あわいっぱい | 村上 結衣 |
マスクとりプールはいろと友わらう | 高市 あかり |
するめかみ脳の元気に祖母の夏 | 川﨑 悠生 |
しんぴんの歯ぶらし開けて心おどる | 山﨑 まこ |
かみしめるさぬきうどんは祖父の味 | 山田 拓人 |
つゆばれにねがいをこめてはをなげる | 上甲 詩織 |
ハロウィーンむしバイキンがおおさわぎ | 菊池 遥輝 |
夜の九時電動はブラシ光る星 | 川口 愛織 |
いわしぐもさしみ食べて歯がじょうぶ | 松木 琉奈 |
サメの歯は飛び出してくるひみつの歯 | 楠本 海斗 |
梅雨曇鏡の中に銀歯あり | 田中 蒼介 |
なつのそらまわしてぬいたこどものは | 豊田 裕士 |
夏の夜し上げみがきの父のひげ | 山本 朔太郎 |
小瓶の歯ゆすってみると風鈴なり | 近藤 奈央子 |
玉ねぎの表面のような歯をめざす | 清家 勘太 |
昔人は木の枝使いみがいてた | 宇津 七杷 |
一万もの歯で何食べる?蝸牛 | 秋川 結菜
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蝉時雨楽器と前歯ごっつんこ
| 前田 千尋
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白い歯で挨拶かわそう英語キャンプ
| 長田 みゆう
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きつつきよコツコツ立てる歯削る音
| 入江 優奈
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ひざまくら歯は人格と母は言う
| 杉山 愛佳
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栗の皮歯に挟まって二時間半
| 中野 天晴
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歯が抜けた弟の顔あまがえる
| 井上 莉音
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健康一本他全虫歯夏の夜
| 小野 祥子
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矯正中桃食べようか食べまいか
| 中川 美月
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給食後無言歯磨き蝉の声
| 山田 彩綾
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歯ブラシの毛先めくれる春の朝
| 竹井 絢翔
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歯ブラシにのる小さめの入道雲
| 成本 愛
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暗転の歯科ドリルとセミの声
| 宮崎 跳生
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歯医者行く車内に響く蝉時雨
| 三瀬 陽和
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問題集歯にこもる力炎天下
| 徳本 媛
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秋の雷虫歯の菌にとき放て
| 井上 拓真
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盆料理曽祖父想い歯がぬけた
| 山内 莉橙
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ツケが来た回るドリルと扇風機
| 合田 稟
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最期までわが歯でたべたいあずきバー
| 福田 蓮太朗
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歯ブラシのすすみがおそいなつやすみ
| 古川 美羽
|
ゆっくりと顔を出してくる親知らず
| 大西 華愛
|
かがやく歯私のじまんのアクセサリー
| 藤本 琉衣
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むしばの歯天道虫を思いだす
| 平田 悠
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夏の夜上の歯全部ぬける夢
| 市川 結菜
|
大きな歯大きな岩にそっくりだ
| 岡山 ふうり
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抜けた宝そっとしまう星月夜
| 山口 巧真
|
麻酔して歯をけずる音涼し夏
| 岡本 美優 |
氷山の一角のような歯溶けて 崩れるのだろうか | 増田 智仁
|
子供の歯全部抜けた秋の暮
| 山口 璃奈
|
残暑の日冷たい水で歯を磨く
| 大西 流惟
|
夏の海祖母の入れ歯が浮いている
| 鹿野 利星
|
花火見て笑ってのぞく矯正具
| 中平 葵
|
冬の朝眠そうな目で歯をみがく
| 岩田 有香
|
峰雲や歯の検診は半年後
| 渡邊 光毬
|
炎天下初めての一人で歯医者
| 岡本 裕之介
|
夏につかれみがくといやな鉄の味
| 川之内 隆希
|
いつまでも歯ぐき抱きつく乳歯かな
| 篠藤 大喜
|
鏡みて鍵盤みたい歯が抜けた
| 有間 咲礼
|
熱帯夜要介護犬の歯は三本
| 神坂 さつき
|
あずきバー砕いた母の歯の頑丈
| 近平 綺伊子
|
丁寧にでも急いでる夏の朝
| 松平 明菜
|
親知らず米粒と間違え夏の昼
| 竹田 愛海
|
思い出が歯ぶらし一つにあふれてる
| 山口 真央
|
青空と入道雲の歯みがき粉
| 山本 苺花
|
ぐらぐらと 波打ち際の百合乳歯のごとし | 伊藤 王希
|
兄帰省部屋が狭まる私と歯ブラシ
| 花山 紗々
|
歯についた 飴かんざし揺れるはアネモネ | 山口 結愛
|
ひきしめる歯ぐきをキューッと生葉で
| 渡部 莉子
|
赤つつじなくした犬歯今何処へ
| 渡部 希乃
|
蝉もなくついにおわかれおやしらず
| 山本 紗綾
|
歯科医師の優しい手にはマメがある
| 小原 沙南
|
夏を待つマスクの下の金具かな | 安部 葵
|
友と見る口が寂しき花火かな
| 宇都宮 健翔
|
風呂上がり油照りの中歯を磨く
| 阿部 咲雪
|
夕河岸の一角に泣く虫歯の子
| 野間 惇希
|
矯正のゴムで着飾る私の歯
| 横久保 美羽
|
親知らず母の言葉にうずく盆
| 村上 凌矢
|
龍淵に潜むX線画像の親不知
| 山根 健矢
|
オルゴール眠くなるけど歯は痛い
|
岡田 恋実
|
夏の朝父の歯と姉家を出る
| 福山 葉月
|
白南風や歯医者帰りの日傘抜け
| 小林 希実
|
大孤独口の中には親知らず
| 井上 結菜
|
猛暑の夏暑さで引っ込む親知らず
| 田中 陽菜
|
朝焼けに定期健診煩わす
| 谷口 らん
|
夏の朝自転車で向かう歯医者さん
| 谷本 菜々美
|
夏空に浮かぶは大きな歯磨き粉
| 別宮 紗莉愛
|
夏の星祖父の口には金の星
| 樋口 萌華
|
冷しパインデンタルクロスは救世主
| 松浦 結芽
|
夕立の音ききながら磨く午後
| 川井 綾乃
|
夏休み歯ぎしり気になるお泊まり会
| 原 優羽
|
白い歯とマスクの日焼け白いほお
| 丹下 温楓
|
飴玉に釣られし梅雨の歯科医院
| 山本 奈美
|
歯は命祖母はこの夏満百歳
| 二宮 純子
|
夏の朝歯ブラシ残し孫帰る
| 日野 正人
|
蟻の巣に砂糖とハブラシ置く娘
| 福岡 花奈江
|
蜜柑山するめかむなと七十二
| 中本 栄子
|
検診日夏のあい間の親しらず
| 弦田 アユ子
|
歯は減りつつ耳は聞こえるせみの声
| 青木 弘美
|
敬老会金銀茶の中白光る
| 萩尾 智恵
|
鳥雲に忌明けし母の入れ歯容れ
| 佐藤 江利子
|
星月夜首長竜の歯が光る
| 薦田 のり子
|
抜歯待つ六十路の夏やアヴェマリア
| 山口 晴美
|
韮の花一輪柔き乳歯生ゆ
| 伊葉 小夏
|
新涼の夜半の歯ぎしりちょっと蹴る
| 髙橋 紋
|
歯の絵本揃へて書架は水無月に
| 八木 久美子
|
銀杏(いちょう)散る ビルの二階の歯科医院 | 桑原 渉
|
繕いの夜なべを終ふ糸切り歯
| 三浦 朱美
|
歯医者では泣かない約束ソーダ水
| 小藤 たみよ
|
鰯雲一本の歯で捏ねる駄々
| 松本 伴子
|
<主催>
愛媛県歯科医師会
<後援>
愛媛県
愛媛県教育委員会
松山市
愛媛新聞社
朝日新聞松山総局
毎日新聞松山支局
読売新聞松山支局
産経新聞松山支局
NHK松山放送局
南海放送
テレビ愛媛
あいテレビ
愛媛朝日テレビ
愛媛CATV
FM愛媛
リビングまつやま
タウン情報
まつやま
<協賛>
パナソニック
株式会社