第17回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、9,127句、101団体、8,681人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
想いの込められた歯いくを今年もたくさんご応募いただきました。
表彰式の様子は令和2年11月21日9:55より南海放送テレビにて放送されました。
第17回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、9,127句、101団体、8,681人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
想いの込められた歯いくを今年もたくさんご応募いただきました。
表彰式の様子は令和2年11月21日9:55より南海放送テレビにて放送されました。
言葉の経済効率がとても良く、的確にイメージを伝えてくれる一句です。上五でいきなりあらわれる「合唱曲」の一語で、風に乗って響く音や合唱に参加する人々の存在がわかります。大きく開かれる合唱の口。緑を揺らす万緑の風は、大きく開いた口の奥歯にまで届きます。「万緑」の持つエネルギーが句の中心にしっかり据わりました。
夜の歯磨きは毎日の大切な日課です。口の中の一番磨きにくい場所にある奥歯。歯ブラシのヘッドがうまく届きません。神経を集中して、磨こうとする「場所」を探す表情まで想像できました。星が涼しく灯る夏の夜を、今日も真剣な歯磨きの時間は過ぎていきます。
「鰐でありたし」という奇妙な願望から始まる、九音と八音のリズムで構成された破調の句。「鰐」は何度でも歯が生え替わるのだそうです。「抜歯日」に抱える憂鬱と不安が「鰐でありたい」という願望を抱かせます。吹き付ける「熱風」に立ち向かう、夏の日の通院。
作者にとって「歯」から連想する最も印象的な存在は、亡くなった愛猫の「歯」だったのでしょう。夏の終わりに経験した悲しい別離。「こつつぼ」にいれた小さなねこの歯の白さが悲しみの粒のように心に残ります。
まだたった「8本」の歯できゅうりを食べる小さな「弟」。「バリボリ」の勢いがなんと頼もしく愉快なことでしょう!きゅうりの新鮮な緑を次々と噛み砕く乳歯の真っ白。色彩の対比も鮮やかな一句です。
「スラー」はいくつかの音符を弧でくくる、演奏記号の一つ。音と音を滑らかにつなげる意味を持ちます。弧を描く「歯ならび」への比喩が魅力的。取り合わせた紫陽花の様々な色合いの球形も賑やかで綺麗です。
抜けそうな歯を色んな方法で抜いた句には、沢山出会ってきましたが、まさか「ラジコン」に引っ張ってもらうとは、吃驚! 一生思い出に残る「なつのあさ」。カタカナとひらがなでの表記も楽しい一句です。
歯並びの比喩は古今東西様々に表現されてきましたが、「ダリアの如く」は新鮮です。幾何学的に並ぶダリアの花片。それに例えられる「歯並び」のなんと美しく整然としていることか。「けり」の詠嘆も力強いですね。
「はれた歯茎」の熱が再生されてくるかのような迫力。「しずまれしずまれ」の字余りのリフレインが疼くような辛さを読み手に伝えます。入道雲も歯茎の腫れも、一向にしずまらないまま、診察の順番を待つ時間。
犬や猫がじゃれて噛みつく「甘噛み」。本気で噛んでいるわけではなくても「ちいさき跡」が残ります。中七「や」の強調で映像を明確にしたのも確かな技術。深まる夏、汗ばむ身体に残された歯の感触がリアルです。
「氷水」が「歯にしみる」のは誰もが経験のあるところですし、類想もあるでしょう。しかし「親の意見と氷水」と二つ並べることで俄然季語の鮮度が上がります。痛烈に「しみる」感触は心の裡も表して秀逸です。
コロナウィルスと付き合う2020年ならではの観察。歯科検診で口を覗き込む医師は、マスクだけでなくフェイスガードもつけています。フェイスガードの奥に光る「汗」に目を付け描写できる落ち着きがさすがです。
結婚35年目となる「珊瑚婚」。かつてうっかりと魅了された「白い歯」のあの人は今隣にいて、35年目の秋を共に迎えました。「秋」は実りと成熟の季節です。「騙され」がほどよい皮肉とほどよいおのろけ。
夏のキャンプの翌朝の光景。こんな教師いるな、と納得させられるリアリティがあります。歯磨きの泡を口に残したまま、歯ブラシであれこれと指示を飛ばす「教師」。キャンプの朝の高揚と慌ただしい時間が見えます。
「歯」の一語から「千年前の木乃伊」を連想する力に驚きます。干からびた木乃伊に残る「歯」。千年前この歯の持ち主は海鼠をコリコリと噛んでいたかもしれない。作者も海鼠を噛みつつ想像を広げているのかも。
歯の形を整えるために日々装着する「きょう正器具」。蒸し暑い熱帯夜だったのですね。朝起きてみると、なぜか「きょう正器具」が枕のあたりに転がっている。あらあら、という一句です。
歯科医師がはめている「ゴム手袋」の句はあるかと思いますが、まさかその味を詠むとは。普段味わうはずのない「ゴム手袋」が実は「甘苦い」と気づく。歯科検診の一場面を味覚で切り取る視点がユニーク!
食事をしていて、一瞬、あれ?と思ったのでしょう。まさか「おれたおくば」を飲み込んでしまうとは!「鳥曇」とは、春に渡り鳥が北方へ帰る頃の曇り空。あーあと見上げる空でしょうか。
歯と歯肉やさしくみがく夏の風 | 宮脇 世理 |
天の川ぼくの前歯は世界一 | 福島 昊虎 |
風かおるあまいフッ素の口の中 | 魚崎 叶皐 |
歯ブラシの毛先シャカシャカつばめ来る | 浅野 迦恋 |
雲の峰百十円の糸ようじ | 浅野 迦恋 |
はえた歯を手鏡で見るおぼろ月 | 中尾 紗唯 |
原爆忌のゆめ白い歯ぬける | 中尾 侑愛 |
歯につまる食べ物取れない夏の山 | 藤井 龍汰 |
はがぬけてちが出ていたさくらの日 | 末光 叶和 |
春風の歌はみがきこのいいかおり | 岩﨑 神威 |
夏つばめ歯科けんしんは保けん室 | 山下 苺果 |
青がえるぼくの前歯はぬけました | 小山 颯友 |
いわし雲十一本のおとなの歯 | 上原 沙弓 |
歯がぬけてうれしい夏の夜の歌 | 和泉 咲南 |
しあげみがきすいかはがまんちちにらむ | 松本 士輝 |
がちがちとはをふるわせたプールの日 | 笠岡 海妙 |
はブラシはひらいてぺちゃんこ夏おわる | 大山 龍冬 |
梅雨の日の歯みがきする音雨の音 | 堀内 美典 |
えんてんかやる気と勇気と歯みがきと | 兵頭 颯 |
ゴシゴシジージーセミの歯ブラシあったっけ | 高岡 怜 |
えん天下おく歯かみしめ打つ白球 | 高野 裕介 |
手でぬいたぐらぐらにゅうしとさつまいも | 森 美音 |
ぬけたはがダイヤにかわるなつのゆめ | 岡部 未柚 |
夏の夜歯みがきの音冷房の音 | 佐伯 日陽子 |
はしる夏歯の数兄においついた | 清水 隼将 |
アイスたべはんたいこう合なおす夏 | 田房 龍誠 |
トマト丸かじりじいじと私前歯ない | 相原 縁咲 |
恐竜は虫歯にならない秋うらら | 三浦 弘太郎 |
はいしゃさんぽんとはをぬきなつのくも | 渡部 ひより |
夏休みハブラシ列車とおります | 小栁 珠俐 |
前歯生え歯ごたえうまし青りんご | 由井 千早 |
夏休みヒーローはぶらしえらぶぼく | 河本 蒼琉 |
後一つ炎天のグラウンドにくいしばる僕と乳歯 | 川口 慧人 |
うつるサーブ権かみしめる歯の夏 | 竹本 洋 |
歯みがきをすぐにやってと言うツバメ | 平岩 真幸 |
きいろい歯かぼちゃを食べて秋の皿 | 渡部 三繋 |
ぼくのははぎんばにしないあめんぼう | 西川 楓真 |
はにあながあくのどうしてきんれんか | 長谷 こと |
はをうめたくすりざらざらぽおちゅらか | 尾崎 羽海 |
夏の雲ハサミの様な永久歯 | 武田 崇佑 |
空きかんにぬけた歯六こ夏の夜 | 柳野 晃汰 |
はみがき粉きれいに流す梅雨の雨 | 佐々木 莉菜 |
夏休みはみがき表ははぬけなり | 大成 純輝 |
あいの風歯いしゃさんのブッラシング | 薬師寺 雄太 |
つゆの空歯いしゃの窓が雨だらけ | 増田 優笑 |
ファインプレーで白い歯見せる夏休み | 田井 佑弥 |
紅葉降る部屋に文具と歯ブラシと | 和田 美憂 |
いとこの歯おぼんのよなか旅に出る | 石丸 煌 |
おおきなはぼじりぼじりとたべるうし | 森 希結 |
赤とんぼぼくの前歯と大きな目 | 土田 凰晟 |
えいきゅう歯キチキチきつい青りんご | 山上 花穂 |
雷鳴やペンチでグリグリ乳歯五本 | 中広 颯介 |
染め出しを終えてピンクの半ズボン | 前川 湊 |
無花果やデンタルフロスに血の滲む | 越智 夏鈴 |
胡瓜噛む幽霊は歯も透明か | 盛武 虹色 |
横の歯に迫る残暑の親知らず | 八木 大和 |
歯ブラシを咥えて歩く黒い犬 | 二神 悠莉 |
にらめっこ双子の乳歯初明かり | 矢野 輝生 |
夏空をながめて親知らずを磨く | 藤田 美月 |
金属音蟻にも虫歯はできますか | 谷岡 花菜 |
歯を磨く夏木立のようにきれいに | 嶋田 穂乃花 |
太陽に抜けた歯かざす夏休み | 森岡 七海 |
バケットに前歯で挑む夏の朝 | 下田 天海 |
廊下に二人夏風ふかれ歯をみがく | 上甲 麻由 |
春待つ日兄とハブラシ旅立った | 草島 日向 |
大口で笑ふ暮らしや茸飯 | 飯尾 羽衣 |
晨朝や歯を磨く音蝉の声 | 飯尾 久翔 |
当節の暑さが残る洗面所 | 弘中 琴絵 |
凸凹と並ぶ歯ぶらし夏の色 | 西岡 瑚心 |
給食後はぶらしコップでつくる海 | 八木 智明 |
弟の投げた歯夏の夜に消えた | 板東 煌介 |
白南風やはみがきうたは4拍子 | 武田 琉里 |
鏡にらむ虫歯と格闘夏来る | 吉良 美海 |
聖合騎士アリスは虫歯なさそうだ | 西森 蒼仁 |
帰省の日歯みがきできぬ列車かな | 大原 宋太 |
鮫の歯をどこかと探す夏休み | 大塚 桜空 |
遠くからあの子の八重歯秋近し | 米澤 壱成 |
夏の朝骨格標本歯が笑う | 土居 千紘 |
親知らず奥までみがく梅の雨 | 山本 悠美 |
歯ブラシにキャップをかけて夏の旅 | 萩野 沙弥 |
歯ブラシの任務完了晩夏なり | 岡本 銀河 |
歯みがきの時間短し夏長し | 森 悠晴 |
ハブラシにまたがり空を飛ぶ夏夜 | 伴野 悠之介 |
歯が抜けて騒ぐ放課後風薫る | 三宅 咲穂 |
炎天やいたずらっ子の歯は白く | 羽藤 れいな |
遠雷や明日は母の抜歯の日 | 菊池 匠輝 |
白い歯で英語の発音梅雨晴れ間 | 辻 嘉乃 |
向日葵の種と並べたいとこの歯 | 西村 栞音 |
からあげに乳歯がくい込む夏の昼 | 衣輪 佳佑 |
花曇りつめ物がとれ歯科へ行く | 垣内 俊洸 |
立春やケンカでふっとぶ初前歯 | 菊澤 敬飛 |
白い歯と鏡に写る白椿 | 宮本 晋作 |
西日さす並ぶ歯ブラシの先光る | 山下 温大 |
夏の昼歯科の消毒鼻を突く | 大和田 蒼空 |
アニキャラの歯に憧れる夏休み | 二宮 万尋 |
せみの声祖父が入れ歯の洗濯場 | 楠本 恵麻 |
油照りじいちゃんの歯がのきました | 二宮 萌南 |
青田風歯科受付の小顔美女 | 窪田 明依 |
ヘディングで歯くいしばる大会なき夏 | 黒島 ちひろ |
余裕なく見える歯茎と夜学かな | 鈴村 直樹 |
秋湿り謀反の歯摘む帰り道 | 鈴村 直樹 |
指に這う蟷螂の歯は今微か | 鈴村 直樹 |
治療中某棒アイス歯を砕く | 高岡 史匡 |
朝焼や洗口液の二十秒 | 坂本 梨帆 |
梨を噛む主に奥歯の右左 | 坂本 梨帆 |
歯ブラシの持ち方変える白露かな | 坂本 梨帆 |
ないた母インプラントと蜩と | 林 惇 |
うかうかと齲窩はつくらじ生身魂 | ひでやん |
真白き歯初恋乗せて青葉風 | 安井 圭子 |
歯ごたえも優しオクラの花愛し | 伊葉 環 |
春めくや乳歯に咬まれこそばゆし | 越智 勝利 |
磨かれて歯にも表情百合の花 | 越智 勝利 |
歯を見せぬ漢が笑ふ新走 | 越智 勝利 |
風呂上り麦茶に祖母の総入れ歯 | 岡村 理江 |
歯を磨く老若男女原爆忌 | 岡村 理江 |
前歯2本愛しきが桃食んでいる | 下土井 未菜 |
親不知の穴へ新米の鎮座 | 菊池 紀子 |
炎天を齧る入歯にある力 | 吉田 実 |
金木犀消毒済みの歯医者さん | 吉田 知恵 |
歯科技工士の友にエールを水の秋 | 吉田 美知子 |
浜の歯みがき夏雲のシンフォニー | 宮下 嘉納子 |
丁寧に磨く歯みがき風光る | 宮内 省三 |
風死すや歯科タービンの音長き | 宮本 徳美 |
竜淵に潜む奥歯のここ磨け | 栗田 修次 |
新涼や歯間ブラシに血のほのか | 栗田 修次 |
歯医者さんの優しい声とセミの声 | 高橋 明美 |
赤とんぼ痛む歯押さえ写真撮る | 高橋 明美 |
親知らず悪気はなくて夏休み | 高橋 紋 |
アロハシャツですが入れ歯ですがなにか | 高橋 紋 |
新米納品歯を食いしばり腰入れて | 高須賀 眞美子 |
入れ歯補聴器はずし検査着の涼し | 高須賀 眞美子 |
大掃除愛する娘の乳歯かな | 黒川 麻加 |
歯磨きは自分磨きか梅雨時雨 | 佐藤 大輔 |
ゴスペルの奥歯に響く聖夜かな | 山口 晴美 |
母に似て美しき歯並び初笑 | 山口 晴美 |
春財布忍ばす護符は子の乳歯 | 四之宮 美智 |
生えたての歯で寒風を咀嚼せり | 若狹 昭宏 |
詰め物の取れし日曜紅芙蓉 | 秋本 哲 |
ぐらぐらと揺る大臼歯烏賊を干す | 秋本 哲 |
寒餅や仮歯は樹脂で出来ている | 秋本 哲 |
歯ブラシに歯石は除せぬ大掃除 | 秋本 哲 |
満塁打放つ白い歯無観客 | 小笠原 真紀 |
百日紅さわさわさわと歯を磨く | 小笠原 真紀 |
園児らがカバの歯みがく秋日和 | 小笠原 真紀 |
皐月賞歯をむぎ出して馬笑ふ | 小笠原 真紀 |
帰省子へ駆け出す犬の歯丸出し | 小野 睦 |
歯ばかりに目がいく梅雨の朗読会 | 小野 睦 |
三寒のセールスマンの歯はきれい | 小野 睦 |
九代目も歯ぎしりの癖星月夜 | 松尾 美枝 |
自分の歯だよい~として仏桑花 | 松本 だりあ |
ビーバーのような前歯が西瓜食う | 松本 だりあ |
糸切りし犬歯はまろくちちろ鳴く | 上田 由記美 |
昼寝する歯間に麺を保存して | 森田 欣也 |
桃よりもモモの味するはみがきこ | 森田 欣也 |
議論果て焼鳥の串歯でしごく | 菅 伸明 |
白い歯と青いキャベツと大ジョッキ | 菅 伸明 |
春光やカバの大きな虫歯見ゆ | 菅 伸明 |
花冷えや患児をなだむ歯科医員 | 菅 伸明 |
賢者みな白き歯を持つ花辛夷 | 菅 伸明 |
入れ歯の爪一本毀れ溽暑来る | 菅 伸明 |
歯磨き済んで桃太郎また始めから | 菅 伸明 |
禁煙の誓い夜長の歯を磨く | 菅 伸明 |
茎漬を食って虫歯によく響く | 菅 伸明 |
ごまめ噛む妻には妻の言い分が | 菅 伸明 |
駅弁の蓋の飯粒噛んで夏 | 菅 伸明 |
ドーナツの穴を噛み消す春うらら | 菅 伸明 |
歯にからむ練りはったい粉反戦忌 | 菅 伸明 |
とんかつをザクリと噛んで街薄暑 | 菅 伸明 |
西瓜食うショベルカーのごとザクザクと | 菅 伸明 |
西日灼く甍の波や歯科の窓 | 菅 伸明 |
白い歯は謙虚の証萩うねる | 菅 伸明 |
秋霖に降り囲まれて歯科治療 | 菅 伸明 |
朱夏の歯科射され削られ埋め込まれ | 菅 伸明 |
反戦忌水あふらせて義歯洗ふ | 菅 伸明 |
瑞歯生ゆ稚児よ日に透くしゃぼん玉 | 菅 伸明 |
口開けし石榴が覗く歯科の窓 | 菅 伸明 |
年越し湯禊ぎの夜の歯を磨く | 菅 伸明 |
春光を噛み擂り潰す牧の牛 | 菅 伸明 |
トマト齧る正義の戦などあらぬ | 菅 伸明 |
こめかみを動かし干鱈噛んでゐる | 菅 伸明 |
美しき歯に席譲らるる梅雨のバス | 菅 伸明 |
疼く歯をかかえて医院虎落笛 | 菅 伸明 |
三振の日焼の顔や歯をみがく | 西原 真樹 |
早乙女の並ぶ白き歯赤たすき | 赤塚 昌弘 |
食み食みて蛸の一生奪ひけり | 赤塚 昌弘 |
齧るとは命断つこと胡瓜齧る | 赤塚 昌弘 |
水澄んで歯列矯正なぞる舌 | 川又 夕 |
胡瓜かむ音を楽しむ八十才 | 浅山 美津子 |
こほろぎや歯みがきあとのアイウエオ | 村田 勝 |
食欲を支える入れ歯秋深し | 池田 栄子 |
篝火の笑顔に銀歯うかい船 | 池田 栄子 |
冬飴を歯に気をつけてと客に売り | 竹山 佳与子 |
歯のきしむパインアイスの固さかな | 竹山 佳与子 |
実の割れぬように穀噛む焼銀杏 | 竹山 佳与子 |
歯を磨きリモート会議風薫る | 中越 真寿美 |
技工士の眼鏡のずれて牽牛花 | 長岡 まなみ |
バックにはコスメと歯磨き靴白し | 辻原 雅子 |
ネイティブの口元真似る夏期講座 | 藤井 みゆき |
夏坂を噛みしめギヤーチェンジ音 | 藤井 みゆき |
歯ブラシの無造作ゼラニウムの赤く | 藤井 みゆき |
開いた口乳歯可愛や昼寝の子 | 平川 洋子 |
夏休み孫と歯磨き義歯かくし | 北岡 千鶴 |
風光る可愛い吾子の歯歯科デビュー | 堀本 千世 |
綱吉の歯茎の塩や冬の雨 | 鈴村 美恵 |
来世こそ抜ける歯となる秋の烏 | 鈴木 裕公仁 |
チカチカと線香花火歯が痛む | 和泉元 良彦 |
新涼や木製箱の治療器具 | 和田 正 |
夏座敷父の歯数える丸坊主 | 澤近 恭子 |
新築の歯ブラシ五本今朝の春 | 礒川 紀美子 |
<主催>
愛媛県歯科医師会
<後援>
愛媛県
愛媛県教育委員会
松山市
愛媛新聞社
朝日新聞松山総局
毎日新聞松山支局
読売新聞松山支局
産経新聞松山支局
NHK松山放送局
南海放送
テレビ愛媛
あいテレビ
愛媛朝日テレビ
愛媛CATV
FM愛媛
リビングまつやま
タウン情報まつやま
<協賛>
パナソニック株式会社