第15回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、15,249句、125団体、13,529人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
一句一句に歯や口の健康へのさまざまな想いがこめられ、感性豊かな作品の数々でした。表彰式の様子は平成30年11月25日14:00よりテレビ愛媛にて放送されました。
第15回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、15,249句、125団体、13,529人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
一句一句に歯や口の健康へのさまざまな想いがこめられ、感性豊かな作品の数々でした。表彰式の様子は平成30年11月25日14:00よりテレビ愛媛にて放送されました。
子どもの歯から大人の歯へと生え替わる、成長の過程で必ずやってくる「歯が抜ける日」。その体験が、同じ日に出会った季語と取り合わせられることで詩になります。羽化し、幼虫から成虫へと姿を変える蝉。作者が見つけたのは透き通った琥珀色の抜け殻だけです。この抜け殻の持ち主も、新しいぴかぴかの身体で空へ飛んでいったのでしょう。硬くなめらかな手触りは抜けた歯の手触りも思い起こさせます。成長の一幕を触感と共に一句に。
オリーブは初夏の頃、白く小さな花をたくさん咲かせます。今朝は雨。せっかく咲いた花をぽろぽろ散らして冷たい雨が降っています。歯の矯正をしようと決めた作者。不安と決心がない交ぜの胸中。「朝」という明るい時間を思えば、希望の割合が勝るでしょうか。綺麗な歯並びのための努力の一歩を踏み出します。
登山部の野営翌朝を思いました。登山の中でこういう風景に出会う、あるいは体験することもあるでしょう。登頂に向けて最後のアタックをする朝でしょうか。朝食も済ませ、青空を仰いで食後の歯みがきをします。水で濯いで高山の涼気にきらめく歯。清涼感が、夏の空の抜けるような青へ、登っていく力へと変わります。
「不意の一発」とは、ぐらぐらの歯を抜いてやろうという親たちの企みか。兄弟げんかのパンチか。いずれにせよ言葉の出てくる順番も愉快な一句。最後まで「ふんばる」ぐらぐらの「乳歯」とのお付き合いも最後の夏です。
習字をした日の夜の歯みがき。歯ブラシを動かす手にはまだ墨のにおいが残っています。歯磨き粉の匂いと混ざりあって不思議な匂い。夏の星に見守られながら、今日も上手に歯を磨きます。
青や赤、いろんな色がある「あじさい」ですが、今朝咲いたあじさいは「白」。気になっていた乳歯も抜けて、気持ちの良い一日が始まりそう。あじさいの白が清潔な美しさです。
大きく口を開けて、気になっている右の奥歯を鏡に映します。外ではうるさいくらいのせみの声。痛い気がする。歯医者に行かないといけないかなあ。蝉の声が不安と痛みをかき立てます。
雪晴れのしんしんとした寒さの洗面所。ブラシにひねり出す歯磨き粉もまた雪のような白さ。この歯磨き粉で磨いたら歯も白く輝いてくれそうです。破調のリズムも、印象をより鮮やかにします。
歯と口の健康のために母がすすめる「フッ素」。長年差し出し続けてくれる母の手にはフッ素の匂いがしみついています。遠くで鳴いている蛙の声がずっと昔の記憶を呼び起こすように続きます。
「歯科医の前に座って」という静かな時間は、診療が始まる前のわずかな時間でしょうか。かすかに聞こえてくる「遠雷」。その音が、小さな不安を揺すっているように感じているのかもしれません。
有名な思考実験「シュレディンガーの猫」。シュレディンガーの歯はさながら抜けている状態と抜けていない状態が等しく存在している様子。子供の日を思考する少年の歯も今変わろうとしています。
セロリを噛む歯の映像が鮮度をもって活写されています。「美しき歯」に断ち割られて起きるセロリの飛沫まで想像できて瑞々しい。「新婚期」の初々しさもまた、素敵な鮮度です。
歯が生えたばかりの子どもはとにかく噛むのが楽しいもの。まだ見えるか見えないかの小さな歯で「怪獣」も「ヒーロー」も噛む!よれよれになっていく人形の様も愉快な夏の育児体験句。
治療用椅子に横たわる作者。視線の先の天窓。虹。思考する時間。たった十七音で状況をありありと伝えるベテランの技です。「虹がでてますね」歯科医師とのささやかな会話が心を和らげます。
実話でしょうか、こういう「生身魂」いそうだな~と困惑するやら面白いやら。悠々と歯磨きを終えて救急車に乗り込む生身魂の歯は全て自前の立派な歯に違いない、と想像してまた愉快。
兄弟たちの姿をそのまま俳句にしてくれました。君たちの歯が生えたり抜けたりしているのなんて、私はもう経験済みです、というお姉ちゃんの余裕の表情を想像すると愉快愉快♪
不思議な肉体感覚が一行の詩になりました。嘘が自分の喉から飛び出してしまう。歯の下で止まらず、通過してしまった。だから無罪。とんでもない理屈を言い切ってしまう潔さに思わず苦笑いです。
思春期に突入し、身だしなみ他に気を使い始めた息子。またよくわからないやたらと「高価な歯みがき粉」なんて買わせて…。ぶつぶつ文句を言いつつも息子の成長を見守る母の姿に共感します。
えんぴつの代わりにハブラシ夏の空 | 出口 翔大 |
風りんや立ったまま歯のレントゲン | 赤星 咲太朗 |
飲むたびにぶらさがる乳歯が泳ぎだす | 広原 茉依 |
乳歯抜け牛乳でカンパイ夏の朝 | 土手 康暉 |
ロッカー内はぶらしだらけ夏の空 | 高山 莉子 |
舌で押す泳ぎながらの歯二本 | 芝 怜菜 |
ぶつかってきたぼうるそっとかくにんまえばあるかな | 大城 結一郎 |
ハハハハハじぃちゃんはぬけひゃひぃひゅひぇひょ | 東 隼輝 |
やっとぬけた乳歯学校でなくす | 永田 善之 |
歯みがきと転校した子の名前を忘れずに | 池田 虎太朗 |
はいしゃへのぎゅうほせんじゅつなつやすみ | 末永 喜一 |
星すずしお母さんはみがきやさんになれるんじゃない? | 三浦 弘太郎 |
はみがきシャカシャカ黄色ぼうしとねこやなぎ | 阿見 果凛 |
山笑うばあちゃん雷おこしかむ | 末弘 哲也 |
ぬけた歯はさくらの下に植えてます | 中尾 紗唯 |
口開けたカバの歯八本夏帽子 | 星川 優希 |
あおうめをとったみんなのはがひかる | 緒方 梨衣沙 |
すいがいとむし歯がいっしょにきた夏に | 児玉 凜子 |
窓ぎわに置いたハブラシ麦の秋 | 髙橋 鼓士郎 |
ハブラシのかたさなやむ夏の夜 | 山本 将暉 |
けんかして仕上げみがきをやめた夏 | 篠原 司 |
ぬけない歯アイスのぼうかむ夏休み | 長井 真寛 |
じゃまな歯にでこぴんかますりゅうの玉 | 渡邉 優理 |
夏の夜毎日回すぬけない歯 | 武田 結妃 |
ぬけなくてつい歯をおこる秋の雨 | 小野 桃加 |
もう父に歯はぬかさない夏深し | 山本 杏珠 |
永久歯生えろ生えろとセミの声 | 成岡 虎烈 |
夏休み歯みがきカレンダーばつ2回 | 笠岡 みのり |
セミの声歯科けんしんの口の中 | 池田 翔 |
じいちゃんの入れ歯もごもごぼん休み | 山本 苺花 |
歯みがき粉少し多めの総体の朝 | 森 蒼生 |
歯磨や風鈴が鳴きねこがなく | 東浦 一貴 |
梅雨の朝歯を磨いたら雨がふる | 谷﨑 幸花 |
欠けし歯の奥に魔物の棲む盛夏 | 藤原 豪士 |
欠けた歯の味は小鰺のカルシウム | 吉田 哉汰 |
親知らず入道雲に食らいつけ | 黒部 瑞希 |
年越しの夜に抜けたのは最後の乳歯 | 松田 一花 |
歯科医へと静かに歩む陽炎と | 河上 統馬 |
歯みがきと今日のうらない夏の朝 | 石井 莉乃 |
夏近し笑う弟の歯は足りぬ | 堀江 杏 |
海の家抜けた乳歯を投げ放つ | 森 茉凛 |
歯ブラシを片手に新聞めくる夏 | 梶原 万季 |
宿題と乳歯が終わる終戦の日 | 松本 怜士 |
歯みがき粉ミントが薫り終戦の日 | 山本 夏帆 |
舌で犬歯なぞりて炎天へ向かう | 中尾 優里 |
グッピーの隣ではみがき熱帯夜 | 谷山 愛 |
夏色や未知なる語を発す歯医者 | 栗田 大愛 |
歯科医師の声やさしくて日向ぼこ | 福原 詩 |
しんぴんの小さな歯でかむこころぶと | 伴野 悠之介 |
昨日の歯に挟まっている薄暑 | 宇都宮 駿介 |
喧嘩後の歯形を桃に残しけり | 武田 歩 |
歯みがき粉のハッカ夕立に冴えた | 小山 絵凪 |
白い歯よ輝けコンクールの夏 | 三谷 ゆずね |
あと一本胡瓜にいどむぐらつく歯 | 大西 愛那 |
口開けて歯医者の昼の涼しさよ | 沖廣 亮太 |
歯が抜けるサーブは入る大夕焼 | 宮本 一輝 |
せみ鳴けば光るホルンと永久歯 | 二宮 そら |
歯科健診カバのよに口をあければ夏 | 二宮 莉穂 |
母親とならんで治療夏の歯科 | 片山 咲楽 |
歯みがき終え課外の時間夏休み | 川崎 桃香 |
歯の先生みるとしゃっくり桜草 | 髙橋 紋 |
磨く磨く秋夜さよなら言った歯を | 西原 真樹 |
モノクロの口腔写真にらむ夏 | 松本 美枝子 |
源さんのとある祭でなくした歯 | 池川 久美子 |
さあ何を食べよう猛暑ふつ飛ばす | 櫛部 天思 |
歯磨きの後は仕上げの天瓜粉 | 菅 貴久代 |
クマゼミやトントンマエの歯が並び | 次家 誠一 |
歯並びの美しき赤鬼盆の寺 | 和田 新太郎 |
トウモロコシ歯にはさまりてゆく平成 | 山口 美樹 |
義歯はづし臥すうそ寒むの手術台 | 和田 正 |
立秋や犬歯の先の透きとほる | 脇坂 拓海 |
歯のかたち人に知られて林檎食う | 板尾 奈々美 |
大試験前歯を薄く磨きけり | 細見 阿由 |
歯磨きの始めは奥歯秋の風 | 近藤 拓弥 |
忖度を噛み締めている秋暑かな | 菊池 紀子 |
恐竜の歯の白かりしこと白秋 | ひでやん |
入れ歯にもつけたい八重歯さくらんぼ | 片野 寛美 |
歯が生えた栄太の粥よ新米よ | 松尾 美枝 |
露草や矯正器具の取れるけふ | 伊葉 環 |
入歯預けてどろんこバレーの青田 | ほろよい |
向き直る父もすきっ歯うろこ雲 | 小野 睦 |
歯科医師の伊予弁やさし春の昼 | 阿見 幸恵 |
新米をゆたかにつぶし離乳食 | 藤川 美喜 |
百才の母に苺の歯磨き粉 | 市川 潮美 |
恐竜の歯とくらべっこ夏休 | 松本 京子 |
抜歯の夏答案用紙まだ白紙 | 川又 夕 |
虫時雨祖父の歯ひとつ壺の底 | 尾崎 暁子 |
抜けた歯は化石となるや鳥渡る | 山本 久美子 |
電車待つ晩夏抜歯の深き穴 | 能瀬 京子 |
歯を磨き流星の心地かな | 山口 拓馬 |
<主催>
愛媛県歯科医師会
<後援>
愛媛県
愛媛県教育委員会
松山市
愛媛新聞社
朝日新聞松山総局
毎日新聞松山支局
読売新聞松山支局
産経新聞松山支局
NHK松山放送局
南海放送
テレビ愛媛
あいテレビ
愛媛朝日テレビ
愛媛CATV
FM愛媛
リビングまつやま
タウン情報まつやま
<協賛>
パナソニック株式会社