第16回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、12,558句、196団体、12,000人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
歯を題材としたユニークで楽しい作品をたくさん応募いただきました。
表彰式の様子は令和元年11月24日14:00よりテレビ愛媛にて放送されました。
第16回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、12,558句、196団体、12,000人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
歯を題材としたユニークで楽しい作品をたくさん応募いただきました。
表彰式の様子は令和元年11月24日14:00よりテレビ愛媛にて放送されました。
乳歯が抜ける体験は子どもにとってはもちろん新鮮な驚きの体験ですが、俳人にとってもじっくり観察する「乳歯」の姿は面白いものです。我が子の抜けたばかりの「乳歯」の歯茎に埋まって見えなかった「根」のなんと長いことか。「新涼」の空気に晒されて歯の表面が乾いていく様までありありと想像されるのは、まさに観察の力。
病院ではテレビの音が消されたままかかっていることもあります。普段家では音が流れているのに、ここでは「無音」。聞こえてくるのは外の「夏の雨」の音と、処置室からの物音だけ。名前が呼ばれるまで、緊張の「無音」に支配される一時です。
部活動に打ち込む学生にとって「部室」は生活の中で重要な位置を占める場所。大切な「クラリネット」と共に「歯ブラシ」も置いています。給食や弁当を食べてからの練習。歯磨きで爽快になった呼気を吹き込み、夏へ向かって力強い音を紡ぎだします。
お兄さんの「きせい」を楽しみに待つ心が「ハブラシ」を「えらぶ」ことで表現されているのがほほえましい。大きい「兄」には大きくて固い物を選んだほうがいいだろうか、なんて悩んでいるのかもと想像すると愉快で可愛い一句。
「はっけよい」から始まる迫力!「夏が来る」力強さや喜びを具体的な重さで表現しています。自分の「奥歯」には「100キロ」の力がかかっているに違いないと思う。その気合いをもって「はっけよい」とぶつかっていきます。
新しく「生えた」「は」の生命力と、「とねりこの木」に鳴く「せみ」の生命力が取り合わせの接点です。ぐんぐん大きく緑の葉を広げるとりねこ。毎朝せみのじわじわ鳴く声を聞いて、少しずつ新しい歯も大きくなります。
こどもの世界にはたびたび不思議な出来事が起きます。「おくば」が抜けたこと、「せみのぬけがら」を見つけたこと。初めて出会う出来事に遭遇した日は全てが「ふしぎなひ」。抜けた「おくば」の形と「せみのから」の形も似てるね。
夏休みに行く「祖母の家」。楽しい一日を過ごして、歯磨きをしようと思ったら「歯みがき粉」がない。普段とは違う洗面台に同じ経験をした人も多いことでしょう。「残暑」のもどかしさが共感度を増します。
「夏休み」が始まったし「歯ブラシ」を「新品」に替えてみる。まだ一度も使ってない真っ新な毛並みがキラキラします。口にいれたら少しモゴモゴ。新品を使った瞬間の新鮮さと違和感が同時に蘇ってくる一句です。
下の乳歯が抜けたら屋根の上に投げると立派な永久歯が生えてくるという言い伝えがあります。「完璧なフォームで投げる」なら確実に屋根の上へ届くことでしょう。振りかぶった視線の先に隆々たる雲の峰が聳えます。
家族全員分の「歯ブラシ」は三本。大人用と子ども用、それぞれに大きさも違います。高さの違った三本がまるで「三連符」のように並んでる姿が可愛く愉快。「秋の朝」の爽やかな空気の中でのささやかな発見。
中七下五の断定がなんと勝手にして愉快なことか!図々しい「ろくでなし」はその達者な口で好き勝手なことをのたまっているのでしょう。憎たらしくもなぜか離れられない人物。「天の川」が案外ロマンティックな輝き。
入籍を済ませ、これから新しい生活が始まる場面。人生の新たな門出にかかる「梅雨虹」は二人を祝福するかのようです。新しい「歯ブラシ」を「おろす」、そんなささやかな事から始める新生活が幸せでありますように。
こんな場面の歯を描写できるのはさすが大人ならではです。テレビで観ているとも球場に観戦に行っているとも読めますが「鮭とば」を噛むのに終始しているなら前者の可能性が高いでしょう。リフレインに漲る力と迫力。
「向日葵」が明るい朝を思わせます。歯磨きの時間をきっちり決めて行うための「砂時計」。歯磨きを嫌がる子でも、ひっくり返した瞬間からさらさらと落ちる砂を眺めながら歯磨きも楽しい時間に変わるかもしれません。
どんな日にだって歯は抜けるんだけど「うそついた日」に抜けた事実に心がビクッとします。もしや歯が抜けたのはうそをついたせいじゃ…と怯える心を夏の陽射しが炙るよう。
ボサボサに使い込んだ「歯ブラシ」を描写して大仰な比喩が愉快です。「割れました」の口語も軽やかな楽しさ。真っ二つに割れた歯ブラシじゃ綺麗に磨けないだろうなあ(笑)
火葬の際には入れ歯は基本的に外すのだそうです。臨終を看取っていよいよ火葬の時。外すべき入れ歯も持たない実歯の老父。頑健に生きた個人の人柄も思わせる無季の一句。
妹がわらうと見える歯六本 | 竹内 冴耶 |
ぬけた歯をつつむ手汗ばむ帰り道 | 築山 明広 |
アイスキャンデーかじり乳歯のぐらり午後 | 豊島 佐菜 |
口ないえんさされるような冬の空 | 森谷 圭造 |
抜けた歯はすべてばぁばの家の庭 | 河本 紗奈 |
はぶらしはどらえもんのまーくくりすます | じょうこう れつま |
白南風の歯みがきスースーミント味 | 𠮷田 知美 |
あじさいがさくころぼくはおとなのは | 田中 大翔 |
はるのひにるすばんしていたはがぬけた | 八塚 光 |
うめのあめほんをよんだひはがぬけた | 忠政 沙羅 |
あおあらしあばれているよ口の中 | 松岡 竜駕 |
あじさいの花が開いて歯がぬけて | 白石 大翔 |
カミキリムシぼくのまえばはいつぬける | 三木 規生 |
ぬけた歯を上に投げたら春の虹 | 織田 航平 |
歯みがきのしあげはフッ素雪だるま | 浅野 迦恋 |
ぼくの歯はダイヤモンドだ夏の海 | 渡邊 陽斗 |
新品の歯ブラシセット風光る | 藤井 愛望 |
赤ちゃんはむし歯がないよねむの花 | 西田 未来翔 |
はみがき粉口いっぱいに夏の雲 | 長野 奏愛 |
セミの声はぶらし買いにじ転車で | 岩本 竜弥 |
いもうととぬけたはをみるなつのよる | 佐藤 政之輔 |
はみがきこミントのあじはそらのあじ | 藤尾 萌生 |
夏つばめ鳴き終わる頃歯がぽろり | 上田 琴葉 |
夕立の音聞き抜歯はいしゃさん | 越智 匠 |
ぬけたはをライオンのはとこうかんだ | 本田 栄道 |
つよいははえろにゅうどうぐもにほおりなげ | 宮下 睦都 |
風りんの音がきれいで歯が笑う | 元岡 裕之 |
月涼し従姉に借りる歯みがき粉 | 織田 桃子 |
朝顔や大きな椅子の歯科医院 | 赤星 咲太朗 |
えんぴつのしんけずるおとははみがきのおと | 織田 和希 |
同じ背のタカサゴユリと歯をみがく | 織田 淳平 |
新しいはぶらし買った虹見えた | 戎 優利 |
くちのなかはみがききらきらなつのほし | 毛利 一癸 |
貝がらに抜けた歯入れて海びらき | 岡部 杏梓 |
ピーマンと同じ形の歯がぬけた | 伊藤 大倫 |
はみがきをいつも見ているオニヤンマ | 東谷 一輝 |
歯がぬけた朝にとどいたしょちゅうみまい | 今井 遥 |
イカやきを五十回かみ夏まつり | 西山 翠 |
むし歯きんみんなでけして南風 | 石﨑 都 |
雨蛙おまえにむし歯はあるのかい | 芝﨑 羚惺 |
なつのそらおもちゃをえらべるはいしゃさん | 大野 直輝 |
炎天下奥歯が痛む登校日 | 清水 陽嘉 |
すれ違うミントの香り夏の朝 | 清水 陽嘉 |
前歯抜けプール飛びこむ水しぶき | 清水 栄那 |
しんきろうぐらぐら揺れる治りょうあと | 清水 栄那 |
ぼん休みサービスエリアで歯をみがく | 高田 息吹 |
貝がらにぬけたは入れてもってかえる | 三好 こまき |
はがはえたこうもりのはもはえるかな | 大塚 陽向 |
歯みがきを終えてき麗な夏の月 | 大本 れい |
はがぬけたもうすぐたのしいなつやすみ | 谷口 真花 |
初節句積木に歯形の残りけり | 伊葉 小夏 |
噛みしめるトマトの赤き重力を | 武田 歩 |
つくしつむ子に三本の乳歯かな | 山内 那南 |
最小単位として捻る鯨の歯 | 豊冨 瑞歩 |
日照りに若き歯を投げて雨乞いす | 三好 葉月 |
間奏に友のはにかみ天高し | 森貞 茜 |
夏の歯はお風呂上がりのミルク色 | 藤原 萌乃 |
待ちきれぬ乳歯の最後水温む | 横田 晃誠 |
歯磨かずレモン色のかき氷 | 青木 咲歌 |
梅雨晴れや歯みがき指導の声高く | 湧川 凜 |
歯をぬいた烏の子たちも飛び立った | 豊岡 健汰 |
前歯ないマンタが笑う夏の空 | 岩本 埜乃子 |
弟に仕上げ磨きや秋の風 | 鍋井 健弘 |
初夏の恋過ぐハミガキ粉苦し | 星加 萌愛 |
月涼し歯はみがいたかと母の声 | 角藤 大晟 |
浴衣着ていつもより長い歯みがき | 倉橋 優月 |
太陽を喰らう俺の白い牙 | 工藤 晃成 |
風かおるハードミントの歯磨き粉 | 中 美結 |
夏の雲歯科医の客の皆子供 | 西山 陽遥 |
窓の外紫陽花のぞく歯科治療 | 山岡 桃彩 |
梅雨入りの口いっぱいのフッ素かな | 入船 真人 |
弟の抜けた前歯に初夏の風 | 阿部 青波 |
新品の歯ブラシ躍動夏の朝 | 滝本 初音 |
妹と十分歯磨き熱帯夜 | 中尾 純蓮 |
白い歯も黄ばんだシャツも夏の夜 | 布袋 俊幸 |
歯が抜けて秋風通る二部合唱 | 川又 心美 |
天高し八重歯尖れる反抗期 | 山本 瑠香 |
赤とんぼ独白は歯の隙間より | 渡部 瑠々奈 |
年の暮嫌ひなままのフッ素かな | 石村 優奈 |
かじかむ手歯でくいしばる王手飛車 | 神野 友我 |
桜舞う朝の乳歯はまだ抜けず | 山内 健次 |
バルコニー新入り犬歯と若葉かな | 小川 花凜 |
歯磨きの時間広場は秋の聲 | アリー・ティム |
朝顔と乳歯おさめた小さき箱 | 岡﨑 和子 |
裸足の子のぞく鏡の仮歯かな | 岡田 ルミ子 |
夕焼けにゆっくりうごく羊の歯 | 川島 健佑 |
抜けた歯に百日紅から降る光 | 重松 希美 |
亀鳴くや妻八十の糸切歯 | 和田 正 |
突然の抜歯宣告梅雨曇り | 渡部 茂由子 |
小鳥来る乳歯埋めた土の上 | 菅 伸明 |
とうきびを横齧りして敗戦忌 | 菅 伸明 |
逆転の走者の皓歯炎天下 | 関谷 葉子 |
はららごに犬歯を立てし津軽かな | 秋本 哲 |
狛犬の折れた歯の成る月の舟 | 鈴村 直樹 |
日焼子の歯を光らせて転びけり | 川又 夕 |
右奥歯から磨くくせ冬銀河 | 澤近 恭子 |
抜歯して台風来る夜半かな | 重松 希美 |
歯ぶらしの凜と一本立つ四月 | 杉野 祐子 |
井戸水で口を洗えば雪の匂い | 杉野 祐子 |
舌先の仮歯ざらつく寝正月 | 鈴村 美恵 |
もの云はぬ母の歯磨く秋の朝 | 福本 政代 |
反抗期仕上げ磨きの熱帯夜 | 森谷 京子 |
ずくんずくんと奥の歯軋む遠花火 | 森永 久実 |
抜けた歯をかかげ勝どき夏休 | 松本 だりあ |
春空へ乳歯きらきら昼休み | 宮下 嘉納子 |
恐竜の歯並びや良し夏に入る | 山内 秀紀 |
恐竜の歯の化石出づ水の秋 | 吉田 美知子 |
歯科医師の眼鏡ひかめくけふの菊 | 吉田 実 |
パペットと歯を磨きあふ文化の日 | 若狭 昭宏 |
祖父の歯が川蟹喰らう大祥忌 | 赤松 瞳 |
反抗期ひらいた歯ブラシ夏の果て | 伊葉 環 |
下の歯のちょこんとまぶし山笑ふ | 池川 久美子 |
歯にほどく固き結び目鰯雲 | あいむ李景 |
油照ブリッジに何か隠れてをり | 加納 早苗 |
唇にあおき弾力マスカット | 藤川 美喜 |
歯茎からばぁちゃんになる鰯雲 | 岡村 理江 |
麻糸とぐらぐら乳歯夕端居 | 相原 香奈 |
歯磨きし眠気をとばして縫うゼッケン | 泉 和博 |
歯軋りにヘマの記憶を溶く夜長 | 栗田 謙 |
入梅の深きところの歯のひかり | 下岡 和也 |
歯みがき粉舌にふれたる熱帯夜 | 下岡 和也 |
笑はねば見えぬ八重歯や砂日傘 | 近藤 拓弥 |
嘘つきの歯を磨き終へハンモック | 近藤 拓弥 |
石榴喰う口内炎を探しつつ | 城田 和佳 |
歯医者から「罪と罰」借り春驟雨 | 細見 阿由 |
歯並びは良い妹やジキタリス | 細見 阿由 |
歯磨き粉絞ると力む歯よ炎暑 | 渡部 稜也 |
歯科検診紙コップには秋の空 | 坂本 梨帆 |
<主催>
愛媛県歯科医師会
<後援>
愛媛県
愛媛県教育委員会
松山市
愛媛新聞社
朝日新聞松山総局
毎日新聞松山支局
読売新聞松山支局
産経新聞松山支局
NHK松山放送局
南海放送
テレビ愛媛
あいテレビ
愛媛朝日テレビ
愛媛CATV
FM愛媛
リビングまつやま
タウン情報まつやま
<協賛>
パナソニック株式会社