第14回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、27,364句ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。3歳のお子様から86歳の方まで、一句一句に歯や口の健康へのさまざまな想いがこめられ、感性豊かな作品の数々でした。
表彰式は平成29年11月12日いよてつ高島屋8階スカイドームにて開催され、「はぴか大賞」は夏井いつき先生の選による優秀賞15句のうち、特選に選ばれた3句より、表彰式当日、会場に集まってくださった約250名の方々の投票により決定いたしました。

第14回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、27,364句ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。3歳のお子様から86歳の方まで、一句一句に歯や口の健康へのさまざまな想いがこめられ、感性豊かな作品の数々でした。
表彰式は平成29年11月12日いよてつ高島屋8階スカイドームにて開催され、「はぴか大賞」は夏井いつき先生の選による優秀賞15句のうち、特選に選ばれた3句より、表彰式当日、会場に集まってくださった約250名の方々の投票により決定いたしました。

親に連れられてきた「歯科」。どっちが先に?と優しい看護師さんが声をかけてくれます。絶対に「いもうと」から!と主張するお兄ちゃん。「いけにへ」は「いもうと」からに決まってる。やがて診療室からは妹の大きな泣き声。あんなふうに泣かないようにと心を奮い立たせつつ、自分の順番を待つお兄ちゃんが見えてきます。「朱夏」とは夏の異称。その鋭い音の響きと朱色のイメージ、そして「シュカ」「シカ」という音の響きも愉快な一句です。

夏休みの観察日記。今年は「あさがおのかんさつ」。朝起きて歯を磨きながら、朝顔を見に行きます。しゃかしゃか磨いていると、口から葉っぱへ白い泡が飛び散りました。あ、このことも観察日記に書かなきゃ!急いで家族に今起きたことを話しながら、口からはさらに泡が飛び散っているのかもしれません。

何の変哲もない朝。夏休みの三分の一が過ぎたなと思う朝。歯を磨く。テレビのニュースの声が聞こえる。今日は「原爆忌」か、思う。今この朝の瞬間は、かつて広島と長崎に起きた惨劇と地続きに時間が繋がっている。その事実を思うと同時に、日々無事に起きて歯を磨ける、その平和を噛みしめる一人の高校生。

定期的なメンテナンスの「フッソぬり」。口に残るフッソの味が気になりながら、今日の勉強に取りかかります。難しい「四字じゅく語」は、口内に残るフッソみたいに苦い。

歯を診て貰う時に歯医者さんが言う診断結果はいつも謎の「暗号」めいて聞こえます。あれはどこの歯のことだろう?なんて舌先で触る歯に、「秋の風」がかすかに沁みます。

「あさがお」を浸して作った「むらさき水」。綺麗なむらさき色はゼリーのようです。あさがおのむらさきと、自分の歯の白。明るい綺麗な色が二つ並んで気持ちいいです。

ここまでやる俳人的好奇心があっぱれ!細かく割れた破片や、歯の中に入ってる髄なんかまでしげしげと観察します。夏の宿題の理科研究は面白いものになりそうです。

「水蜜桃」とは桃のこと。瑞々しい桃には囓った人がくっきりわかるような見事な歯形が残っています。まだ汁の滴る桃を残したまま、今日の練習へと元気に出かけます。

白い「永久歯」と汚れた「泥付きスパイク」。永久歯には仕上げ磨きを、スパイクには最後の柔らかい布で拭き上げをして終わります。どちらも丁寧に磨く夏の日です。

「一塊の氷」をがりりと噛み砕きます。口中に硬い水が砕けます。「鉄の味」は血の味でしょうか。硬さを「鉄」と表現したのでしょうか。下五「鉄の味」の解釈は如何に。

まだ丸っこい「乳歯」が一本だけ残ったまま、今日小学校を卒業します。ほんの少しばつが悪い心地。でも中学生になれば大人の歯が生えてくる!希望に満ちた卒業の日です。

歯みがきが嫌いな「6才」を捕まえて歯を磨きます。はい、お空を見上げて口開けて!子どもの目線には夏の眩しい青空。「空の青さを磨く」という発想が気持ちいい一句です。

赤ちゃんの歯が丈夫に育つようにと祈る「歯固め」の儀式。その「祝い膳」に出てきたのはなんと「丸のまま」の「蛸」!赤ん坊を囲む豪快な祝いの膳には、笑いも溢れています。

秋も深まりすっかり夜は長い。遺品整理の最中に見つかったのは「歯科診察券」です。次回来院の予約日が記されたまま使われなくなった診察券に哀惜の情が募ります。

「歯みがきをしろ」は「ゴジラ」の台詞か、はたまた「ゴジラ」のような迫力の母ちゃんか。「炎暑」の生臭さはゴジラの口から発されたのだよ、と読んでも愉快な一句です。

新製品が出る度に気になって、何本も増えていく「ハブラシ」。ハブラシを立てるコップがぎっしり詰まっても、この人は「ぼくのしゅみ」をやめないんだろうな(笑)

「つくりたい」という希望が切実に胸に迫ります。「折れない」心と折れない歯」はどちらも強くぴかぴかに輝いているイメージ。どちらも硬く育つようにエールを送りたい!

歯間ブラシの尖った先端がなにかに似てると思ったら、そうだ、三日月だ。あの明るい三日月で磨いたらもっと歯が綺麗になるのに。美しい月を眺めながらそんな空想に浸る夜。
表彰式の当日、会場にお集まりいただいた皆様に「笑」をテーマに投句していただきました。愛媛県歯科医師会賞は、その中から夏井いつき先生により選ばれた最優秀作品です。

「がばあん」はいかにも「鯨」らしいダイナミックな擬音語。笑うという行為一つをとっても、鯨だと迫力が違います。跳ね上げる水の飛沫も躍動して、「大笑」の鯨を勢いづけます。
| 父の日に乳歯が動いた九十度 | 渡部 碓晟 |
| 歯が光る四人で泳ぐ二百メートルリレー | 田村 海里 |
| 夏休み新ハブラシと42日 | 能瀬 平莉 |
| 炎天に奥歯かみしめ楽器ふく | 島津 京香 |
| ランドセル背負って歯医者空っ風 | 山崎 志音 |
| もうしょのひわたしふらふらはぐらぐら | 島原 苺花 |
| きりのはこににゅうし六ぽんなつのあめ | 原田 泰輔 |
| ぬけたはをケースにカチャリアマリリス | 北川 莉帆 |
| ぬけたはの本数兄にせまる夏 | 岩本 拓巳 |
| 夏休みぬけたこのはは20ばん | 井上 真緒 |
| なやむ冬でこぼこ道のわたしの歯 | 岡部 美紀 |
| ふうりんがなったしゅんかんはがぬけた | 木下 未亜 |
| リズム合う青竹ふみと歯みがき音 | 西岡 郁花 |
| ぼうず頭に歯があたってもしあいする | 小川 脩太 |
| 沖縄のあの子も同じ日歯が抜けた | 福原 奏 |
| なつのあめごぜんさんじにはがぬけた | 藤井 龍汰 |
| じょうぶなはをみせていかやきおいしいな | 道岡 海斗 |
| わたしのはおくらにまけずはえてこい | 宇都宮 ゆめ |
| わにの歯とぼくの歯にてるくものみね | 渡邊 陽斗 |
| ぼくと月おしゃべりしながら歯をみがく | 渡邊 魁斗 |
| 夏のまど歯医者さんの手やさしいね | 兵頭 海音 |
| えいがかんで抜けた歯ひとつ夏休み | 越智 蒼空 |
| かあさんはしかえいせいしかぶとむし | 村上 心奏 |
| 白い歯と祖父の白がと夏の雲 | 川平 夏海 |
| 夏至の日や少し長めの歯みがきを | 中尾 綾音 |
| 歯みがきこ少しのみこむ夏休み | 濱田 凛 |
| 秋夕焼けぼくのむし歯は三つある | 高魚 璃空 |
| たんぽぽや笑顔で待ってる歯医者さん | 伊勢 雅姫 |
| 歯磨き粉たっぷりつける運動会 | 藤本 功真 |
| 検診の歯科医の呪文夏の空 | 福田 実桜 |
| 夏の朝フランス色の歯磨き粉 | 山川 さくら |
| 親知らず抜いて爽籟の帰郷 | 鈴村 直樹 |
| 奥歯との別れ冠銀寒し | 吉田 哉汰 |
| ぐらぐらと揺れる奥歯と志望校 | 河野 彩奈 |
| はまゆうの花と真珠の歯を守る | 若林 琉華 |
| 白い歯と道着に込めた初夏の朝 | 増田 里歩 |
| オー・シャンゼリゼとパリリきゅうり食う | 黒部 瑞希 |
| 夏河原抜けた歯の血の赤混ざる | 山下 塔矢 |
| 夏の夕血の滲んだ砂を噛む | 髙橋 凛太朗 |
| 歯をみがく時間は長し夜は短かし | 堀江 杏 |
| 沖縄のプールに沈んだ弟の歯 | 向井 小雪 |
| かき氷きょうせい器具が冷える夜 | 藤川 日波 |
| 石鎚のごとく立派な私の乳歯 | 加地 夏望 |
| 体育祭奥歯噛みしめ踏んばる地 | 岡田 真巳 |
| 弟の歯がぬけた日が卒業式 | 稲月 蒼時 |
| 笑うとき歯茎出るくせ百合の花 | 岡﨑 唯 |
| 嚙む力骨付鶏で試す夏 | 西田 伊吹 |
| 歯科医でも蝉に脅えておりました | 宇都宮 駿介 |
| この歯なら空のあの月かじれるか | 山口 航大 |
| 若葉風君の八重歯がすごく好き | 板尾 真奈美 |
| 糸蜻蛉の殻集め歯みがき粉のにおい | 松岡 咲季 |
| 歯ブラシを手に蒙古斑夏めけり | 福原 音 |
| 夕立のすき間に乳歯干してある | 有馬 史夏 |
| 炎天の小石に混ざる乳歯かな | 仙波 珠里 |
| 矯正の終わった夏に恋をする | 二神 佐和子 |
| 原人の模型が夏の歯を生やす | 日高 隆介 |
| 過剰歯の俺は狼だったのだ | 松本 翔 |
| 夕立の中に飴玉砕く音 | 武田 歩 |
| 色々と今年もおきたが歯をみがこう | 豊田 紗彩 |
| バレー部の姉の歯ぎしり熱帯夜 | 中岡 寛大郎 |
| 歯みがきの子らと月夜の砂時計 | 西原 真樹 |
| 身ごもりて抜く親不知トマト熟る | 志摩 あずさ |
| 抜けた歯も忘れて入道雲の下 | 渡部 辰徳 |
| 二つ星縄文人に糸切歯 | 和田 新太郎 |
| 水澄むやちりちりと歯が生まれさう | 若狹 昭宏 |
| 母の歯を預りて待つ朝寒き | 桑原 渉 |
| ロダンにも歯痛の夏のありしかな | 三原 多恵 |
| 総入れ歯試すに見合う桃がぶり | 岡田 ルミ子 |
| 春の風歯ブラシ持参新任地 | 青山 英樹 |
| 愛犬と並んで胡瓜まるかじり | 田原 恵理 |
| 兜虫縄文人の歯も残る | 次家 誠一 |
| 夏休みドリルさぼるが歯はみがく | 北岡 成美 |
| 白服の歯ならび良き子ホルン吹く | 平岡 喜代美 |
| 優ちゃんの赤き歯ブラシ夏休み | 森田 千重子 |
| 総入れ歯二人仲よく屠蘇をくむ | 三好 勇 |
| ポケットに義歯しのばせてぶどう狩り | 三好 チエ |
| ハモニカを口いっぱいに春の曲 | 藤井 克也 |
| ふりかざす青き正論セロリ噛む | 藤川 美喜 |
| 木の葉髪なれど正しき歯の二十 | 小野 更紗 |
| 鳥の日やなじみの歯科の若先生 | 池川 久美子 |
| 張りつめたトマトにあてる歯の迷い | 小田寺 登女 |
| 男ども夏は奥歯で泣くもんだ | 川又 夕 |
| 夏めいて胎児のために歯をみがく | 大政 友里恵 |
| 口笛添へ豺獣を祭る | 栗田 謙 |
| 国体の開会式の朝も歯痛 | 奥村 幸二 |
| ひしこ噛むごりごりと噛む大臼歯 | 秋元 哲 |
| ステーキの歯応え反抗期の夏 | 藤井 みゆき |
| 栗噛んで入歯無きこと自慢する | 江戸 幸子 |
| 歯ぎしりが出来る喜び夏登山 | 和田 幸 |
| 春風や歯ブラシを持つウルトラマン | 岡村 理江 |
<主催>
愛媛県歯科医師会
<後援>
愛媛県
愛媛県教育委員会
松山市
愛媛新聞社
朝日新聞松山総局
毎日新聞松山支局
読売新聞松山支局
産経新聞松山支局
NHK松山放送局
南海放送
テレビ愛媛
あいテレビ
愛媛朝日テレビ
FM愛媛
リビングまつやま
タウン情報まつやま
<協賛>
パナソニック株式会社