第18回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、10,480句、141団体、10,293人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
さまざまな思い出や健康への想いが込められた作品を数多くご応募いただきました。
表彰式の様子は令和3年11月28日15:00よりあいテレビ(6ch)にて放送されました。
第18回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、10,480句、141団体、10,293人ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
さまざまな思い出や健康への想いが込められた作品を数多くご応募いただきました。
表彰式の様子は令和3年11月28日15:00よりあいテレビ(6ch)にて放送されました。
「歯ブラシのロケット」という言葉が、読者を一気にSF(空想科学小説)の世界へ誘います。口の中は無重力の位宇宙空間。白いブラシのロケットがぐんぐん進む。隕石のように並ぶ歯と歯の隙間を磨き、奥歯に到達して回転。口をすすいで、無数の星をまき散らす。澄む秋の夜空に横たわる天の川=「銀河」と、口中の世界が楽しく繋がります。
親不知を抜歯した後の窪みを舌で触りながら、真赤な鶏頭の花を見ている作者。滲みだした血の味が、まだ口の中にあるのかもしれません。人の如く立つ鶏頭花の姿に重ねることで、鈍い痛みや残る麻酔の痺れなどの感覚まで、リアルに伝わってきます。
引っ越したら、必ず探さなければならないのが歯科医院ですね。歯科医の診察券の束を見つつ、これだけ引っ越したのか、と我ながら感嘆することも。晩春の季語「郁子の花」の俯き加減の白い花弁に、いとしき半生を振り返って、「むべなるかな」と呟いたとか。
五感を使うと、俳句がこんなに面白くなります。白い歯に挟まる黒いひじきは見た目も、舌に触れる感触も鮮やか。給食の後の「五時間目」がリアル。季語は、春の海の岩場の潮が退いた時に獲れる「ひじき」。煮物やひじきご飯にしてカルシウムもたっぷり!
ガメラは、ゴジラと共に日本の怪獣映画の人気者ですね。春の海にのんびり甲羅を浮かべるカメのような姿ですが、その実態は恐ろしく強い!その歯はヒトに似ている、という発見の句。同じ生物としてカタカナ表記にしたところに工夫もあります。
キャンプ中に歯が抜けた、という小さな事件を楽しい一句にしました。「キャンプ」という夏の季語から、涼しい木陰のキャンプ場や、海や、川や、カレーライスの飯盒炊さんなど映画のような場面が見えてきます。抜けた歯を母に届けた結末もお見事です!
生えかけの歯先のギザギザの感触と、夏の青葉の上を吹き荒れる「青あらし」の季語の取り合わせです。季語と小さな出来事を、鮮度よく瞬間冷凍する、それが俳句。青嵐に吹かれながら舌で触れる新しい歯の思い出は、いつでも空想の中で解凍できます。
「炎昼」の季語が、陽射しの照りつける真昼に訪れた歯科医院という舞台設定を整え、歯医者の椅子に観念して座る登場人物も浮かびます。下五の「儀式めく」という言葉に、厳かなまでの虫歯治療の映像が次々と立ち上がり、歯科医の顔もまじまじと見えます。
庭や公園の藤棚に薄紫の花が咲き、房状に垂れて風に揺れ始めると、ああ春も終わり、夏が来たなあ、と感じる。作者にとっては、毎年の歯科検診の時期を教える花だという。小粒の花や清々しい香は、美しい歯並びと絶妙の取り合わせかと思う。
マウスウォッシュ(口内洗浄剤)は、虫歯や歯周病や口臭の予防などに用いる液体です。なるほど、夏空のように爽快なスカイブルーの製品が多いように感じます。夏の空には、巨大な白い歯のような白い雲がそびえ立っている。そんな空想もふくらみます。
「海馬」は、タツノオトシゴのような形の、記憶に関わる脳内器官、と言われています。旬の瑞々しい桃を丸かじりした時の香りは、脳内にある海馬へ直接伝わり、たった今認識されているのだ、と感じてしまうほど衝撃的に美しい香りだったのでしょうねえ。
このオリンピアンは、オリンピックの出場選手、という意味でしょう。水泳で金メダルを獲得した大橋悠衣選手は、糸切歯を抜き歯列矯正中だったとか。素敵な笑顔でした。「炎帝」は、夏を司る神である太陽を表す季語。オリンピアンも、真夏の王者ですね!
残った歯をきっちり磨き、ゆっくり噛んで、旬の味覚を味わい尽くしている父上の姿。「父の秋」の季語に、ほのぼのとした家族の情景が浮かんできます。美味しい物をほんの少しと、美味しいお酒をほんの少し、それがささやかな老後の幸せですものね。
地上最恐の恐竜ティラノサウルス。二本足でどすんどすんと、鋭い歯を剥いて向かってくる3D映画の迫力はすごいですね。肉も骨も噛みちぎる力ないから、ティラノサウルスにはなれへん。今しゃべった言葉がすぐ俳句になるのも、じゅうぶんすごいです。
本降りの夏の雨が重い、から始まる。さてどんな状況なのか、期待が高まります。歯の治療の予約に遅刻した車内、二人の人物。交通渋滞か、電車遅延か。歯医者に遅刻してむしろ嬉しいが、いずれ行かねばならぬ。雨の重さが絶妙の心理劇、読点も絶妙です。
例えば、入れ歯をしているほどの年齢の親と、親の前で悲しい事を打ち明けている子と。親は子のために、入れ歯がはずれるほど泣いてしまう。子は、泣かせてしまった親を渾身で慰める。そんな秋の夜長でしょうか。ひしひしと切なさの身にしみる一句。
ぬけた歯に肉のはさまる夏キャンプ | 大成 純輝 |
永久歯オクラみたいにぐんぐんと | 大原 早織 |
夏休みハブラシボッサ髪ボッサ | 河野 葵 |
歯のしょうじょう三まいならべてほめるなつ | 伊賀 真理 |
ちょこたべてぶくぶくうがいつゆはれま | 新改 凛 |
永久歯ずらっと並んだ百合の花 | 西原 春馬 |
夏の朝全部うまった乳歯入れ | 細川 花音 |
ぼくの歯は白鳥座のデネブと同じ白 | 稲見 晃 |
とうきびのうすかわとたたかう糸ようじ | 小野 暖太 |
わたしの歯とうもろこしと力くらべ | 塩崎 紗愛 |
夏が待ちぼうけしている永久歯 | 村上 花心 |
歯ブラシを持ったまま寝る夏の夜 | 小栁 珠俐 |
歯並びはきれいなU字夏の夜 | 曽根 美叶恵 |
ぬけたははにゅうどうぐものかけらかな | 佐野 麗毅 |
しあげはリンゴあじのフッ素秋の空 | 芳野 暁徳 |
歯を磨きコップの水をひまわりに | 長野 奏愛 |
はの運動会ひだりがちょっとおくれぎみ | 渡部 千尋 |
せみ時雨歯医者に向かうけやき道 | 真鍋 遼太郎 |
メンチカツにゅうしがぬけたなつのひる | 金澤 皐月 |
なつのあさぬけたまえばときょうりゅうずかん | 山田 貫太 |
しにくえん夏のおわりがはにしみる | 高市 あかり |
はが生えた木馬がはがため0さいじ | 栗原 冬慎 |
夏の朝電動ハブラシかけまわる | 上甲 大雅 |
きょうせいのワイヤーのバネ夏過ぎる | 山本 凛太郎 |
ちちがよぶしあげみがきとなつのほし | 石田 紗和 |
アイスぼうグイグイおしてまえばだす
| 小野 こはね |
夏ふくににあうしろいはめざします | 高橋 勇作 |
夏の夜おく歯に見つける黒い点 | 八木 淳之介 |
ビルはかいできそうなカマキリの口 | 上松 未来 |
夏の海釣った鯛の歯グロテスク | 畑岡 栄壮 |
歯ぶらしが兄のサイズと同じ夏 | 門田 梓海 |
型取りの粘土が口へ油照 | 木守 唯人 |
ぐらぐらの歯をそろそろとさわる梅雨 | 楠橋 芙弥 |
歯科医師のライト瞳へ朧月 | 浅野 迦恋 |
ぴかぴかのはとはぶらしとなつのかぜ | 黒田 理心 |
はをなげたもどってちゃくりくあさがおへ | 髙田琉之佑 |
からあげがゆらすぼくのにゅうしたち | 千葉 悠翔 |
庭先で光る乳歯の夏休み | 藥師寺 舞奈 |
夏の雨声出さず泣く歯医者かな | 内田 舞 |
生えたての乳歯で弟ゴーヤかむ | 水野 公輔 |
歯みがき粉父さんでも出ない風かおる | 中平 晴輝 |
ぬけた歯を五月雨の屋根に投げ上げる | 新山 陽詩 |
おかあさんにはをひっぱられたこどものひ | 増原 望友 |
歯が光るえんてんかの初ホームラン | 長野 航平 |
七月や四つ目ぬけた子どもの歯 | 岡崎 陽由 |
歯みがきをしなさいと飛ぶカブト虫 | 大星 祐仁 |
歯ブラシを変えた失恋記念夏 | 伊葉 小夏 |
かみしめる押しつぶす歯の残暑かな | 上甲 楓 |
奥歯まで静かに磨く夏夜かな | 中松 佑香 |
抜けた歯をかざして一礼夏の空 | 宮本 蒼空 |
流星や友の白い歯見れる日を | 真鍋 匠眞 |
秋空の白い校舎と白い歯と | 梶本 来希 |
初矯正母の手製の桃ゼリー | 鈴木 果乃 |
銀匙に触る乳歯や風薫る | 曽我部 百花 |
歯ブラシを持つ私の手夏の風 | 井上 柚希 |
ビー玉と歯が鳴る「カラン」ラムネ瓶 | 石本 優 |
妹と歯でこじ開けるラムネ瓶 | 髙松 未来 |
我が乳歯青嵐の夜に消えていく | 宇都宮 夏鈴 |
乳歯抜き消毒したる秋麗 | 縄田 葵 |
ラジオ体操歯抜けの判や夏の空 | 二宮 康暉 |
延々とはぐきの炎症炎天下 | 田中 智 |
風薫る姉のマウスピースに水 | 野村 颯万 |
頂きへくいしばった歯とオリオン座 | 宮内 悠圭 |
炎天下犬歯の噛み癖直らない | 北辰 大空 |
熱帯夜歯ぎしりの音日をまたぐ | 田井 佑弥 |
我の歯をつく探針と夏の夕 | 田中 康貴 |
白き歯で汗噛みしめて背負い投げ | 土居 千紘 |
歯ブラシで未来をみがく熱帯夜 | 松平 明菜 |
歯並びの悪い歯を見せ歌う夏 | 井上 直央 |
歯の形は蓬莱山の木の根っこ | 佐藤 航志朗 |
奥歯増え大きい歯ブラシ風薫る | 続木 麻由 |
舌でむし歯を目で夏を探した | 安藤 友香 |
中学に乳歯残して通う春 | 丸山 洸明 |
夏の浜くっきりフリスビーに歯型 | 陰山 心暖 |
奥の歯も透明にしてかき氷 | 林 良多 |
永久歯と泥付きスパイク磨く夏 | 塩見 彩華 |
夏の日の抜けた歯を持ちねずみうた | 今井 陸斗 |
風が死ぬ三毛が覗かせている犬歯 | 佐藤 江利子 |
脱脂綿をかまされ奥歯はたた神 | 三谷 淳子 |
総入歯更けゆく秋のこきざみに | 宮地 孝子 |
樫の実や親より賜ふ歯一生 | 道満 光子 |
歳時記と子犬の話し春の歯科 | 池川 久美子 |
秋深し吾子の歯の窪赤きこと | 池田 愛里 |
獅子舞の口が海風噛んでいる | 菅 伸明 |
春しぐれ小瓶に乳歯しゃらしゃらと | 阿見 幸恵 |
差し歯して鏡ばかりを見る夜長 | 江戸 幸子 |
シニア犬泡歯磨きを知りて夏 | 礒川 紀美子 |
無精して虫歯に沁みる氷菓子 | 河内 義高 |
涼新たバカラで笑う入れ歯かな | 菊池 紀子 |
余生なほ自分の歯なり秋の山 | 鎌田 千代美 |
さとうきび奥歯は命噛みしめる | 新家 益一 |
星明り氷砂糖を噛む平和 | 坂本 梨帆 |
抜歯の涙添えて果てなき天の川 | 鈴村 直樹 |
長き夜やビスクドールの歯のかすか | 鈴村 美恵 |
新涼や歯科待合のオルゴール | 西原 真樹 |
有りの実や健診の子に欠損歯 | 能瀬 京子 |
鮫の歯に触れて太古は冷たくて | 鳴岡 耕樹 |
二番目に抜けた歯もらう春の朝 | 長岡 まなみ |
秋燈に黄ばむ歯の隙間に小骨 | 堀 雄貴 |
白い歯が笑っていますラムネ玉 | 花山 昇 |
風死す日膿盆の中動かぬ歯 | 伴野 沙織 |
リハビリの母へ歯ぶらし花芙蓉 | 宮下 嘉納子 |
顎も歯も丈夫に召され春の雪 | 松本 だりあ |
コロナ対策完璧な歯科医の許す軒燕 | 矢野 貴子 |
歯科医師の笑みタービンの虎落笛 | 吉田 実 |
歯の強さ健脚誇る敬老日 | 吉田 美知子 |
<主催>
愛媛県歯科医師会
<後援>
愛媛県
愛媛県教育委員会
松山市
愛媛新聞社
朝日新聞松山総局
毎日新聞松山支局
読売新聞松山支局
産経新聞松山支局
NHK松山放送局
南海放送
テレビ愛媛
あいテレビ
愛媛朝日テレビ
愛媛CATV
FM愛媛
リビングまつやま
タウン情報まつやま
<協賛>
パナソニック株式会社