第10回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、26,678句ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。3歳のお子様から99歳の方まで、一句一句に歯や口の健康へのさまざまな想いがこめられ、感性豊かな作品の数々でした。
表彰式は平成25年11月10日、いよてつ高島屋にて開催されました。なお「はぴか大賞」は、夏井いつき先生の選によって優秀賞に選ばれた15句の中から、表彰式当日、会場に集まってくださった約200名の方々の投票により決定いたしました。

第10回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、26,678句ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。3歳のお子様から99歳の方まで、一句一句に歯や口の健康へのさまざまな想いがこめられ、感性豊かな作品の数々でした。
表彰式は平成25年11月10日、いよてつ高島屋にて開催されました。なお「はぴか大賞」は、夏井いつき先生の選によって優秀賞に選ばれた15句の中から、表彰式当日、会場に集まってくださった約200名の方々の投票により決定いたしました。

「その歯には力があるか」という力強い呼びかけが魅力的な一句。読んだ人ひとり一人に向かって、あなたの歯はいかが!?と問いかけるような口調が愉快です。下五の季語「夏氷」も溌刺とした強さ。「その歯」で勢いよくガリリと噛み砕く瞬間を、否応なく追体験させてくれる痛快な一句です。

泳いでたら歯が抜けてた!という小さな事件。その「ぬけたは」を「ぷうるのそこ」から見つけてきてくれる「とうさん」はスーパーマンみたいにカッコイイ!ある夏の日の鮮やかな思い出の一句です。

「母さんの歯」を、何か白いものに喩えるのではなく爽快な「秋晴れ」に喩える発想が見事です。「秋晴れ」の真っ青な空に映えるのが真っ白な「母さんの歯」。素敵な笑顔も見えてくる作品ですね。

「Tシャツ」に何か「とびちる」のだろうかと思えば「白いはみがきこ」だよ、というこの元気!急いで磨く朝の光景か、早く遊びに行きたい給食後の様子か?やんちゃで楽しい作品になりました。

歯みがきした「歯」を何かの色に喩える句はありますが、「あの月の色」という発想が実に詩的。「~になるまで~みがく」によって、ささやかな時間経過が表現されている点も技術的に巧い作品です。

動物の「歯」を描く作品も多いですが、この句は「春の草」という季語が生き生きとしています。「歯でちぎりとる」という描写は「うさぎの子」をしっかり観察しなければ生まれない表現ですね。

「扇風機」を家族で奪い合うとう句はよくあるのですが、「歯ブラシを片手に」という場面が、なんともユーモラスな一句です。最後に「扇風機」という季語が出てくる語順もよく考えられています。

一読、エベレスト登頂を目指す登山家や地元のシェルバの笑顔を思い浮かべました。「チベットの夏空青し」という光景から「歯は白し」とたたみかけるリズムと色彩が、実に鮮やかで効果的です。

内容としては「キャベツ」を食べてるだけなのですが、「噛む」という行為をさらに「奥歯に水のはじけたる」と詳しく描写したことで、強い臨場感が生まれました。新鮮で美味しそうなキャベツ!

診察を待つ時間の実感が「夕焼けを背に」という表現に込められています。「まっさらな歯科の椅子」だからこその落ち着かなさもあるのかもしれませんね。夏の「夕焼け」が美しく照り映えます。

口に関する動詞三つ「くいしばる」「ほおばる」「しゃべる」と畳みかけるリズムが軽快な作品。「~る」のアクセントが季語「夏の空」の力強い青さを強調するかのような、躍動感ある一句です。

我が子の「乳歯」が初めて抜けた日、捨てるにはあまりに愛しく、「小壜」に入れておいたのでしょう。「乳歯」の入った「小壜」は、「春夕焼」の淡く優しい光をたたえて、作者の手の中にあります。

「化石」として掘り出された「白き歯型」に「新春の」と季語を冠する発想が何ともユニークな一句。新しい年を言祝ぐ気持ちが「白き歯型の化石」を美しいオブジェのように感知させたのでしょう。

「馬鹿正直」という言葉がこんな形で使われることの愉快。「馬鹿正直」なのは「歯並び」だけではなく、この人の生き方もまたそうなのかもしれません。季語「白い秋」が清々しく響く作品です。

生き延びて「終戦日」を迎えてからの幾年月。贅沢な食べ物は「麦」のご飯で、それを噛む「歯」はまだまだ「自前」であるよ、という矍鑠たる語り口。名詞を連ねての構成も実に巧い一句です。

こんな大事な日なのに、いきなり前歯が抜けてしまうなんて!という叫びが何とも可愛い一句。「こんなひ」がどんな日であるかという謎が、下五「にゅうがくしゃしん」で明かされるのも楽しい!

「歯を磨く」理由はさまざまあるでしょうが、「早くきょうりゅうになりたくて」という発送がユニーク。一生懸命磨いているうちに、ほんとうに恐竜になってしまいそうな愉快が満ちてきます。

こんな人は「ドラッグストア」の店先で、ずーっと「歯ブラシ」を眺め続け、結局その「進化」に圧倒されてどれを買ったらいいか決断できず、何も買わずに帰っちゃう人なんじゃないかな(笑)。
上五「おもむろに」が、いかにも「おもむろ」な詠いだし。「口開けて待つ」状況の謎が「椅子へ」と続き、歯科診療室だと分かり、最後に「秋」の一語が呟かれる、この構成の巧さに脱帽の一句です。

「口開く」だから自分の口かな?と思えば「鯨」だといい、鯨が餌を食べようとしてるのかな?と思えば「星を食べたくて」と飛躍する発想が、美しく壮大なファンタジーの世界を描き上げました。
| おとなのはかたつむりはどうなってる | いまい けい |
| はるのにじなかよくなったはいしゃさん | 平原 晴香 |
| まえばだけ大人になったはるの朝 | 石川 笑子 |
| はぶらしはサクサクうたうわかば風 | 小川 大飛 |
| せみしぐれつくえの上野小さなは | 河上 仁太 |
| 早おきの時けい草とぼくははをみがく | 赤松 海斗 |
| 歯科けんしん終ったあとに虹ふたつ | ウェストロップ はんな |
| 妹の前歯欠席入学式 | 福原 詩 |
| お盆待つぼくも家族も歯ブラシも | 太田 拓夢 |
| バスの中乳歯がぬけた初夏の旅 | 越智 拓飛 |
| 歯ブラシのサイズ変更月涼し | 玉岡 礼子 |
| ねるまえにみがいて食べてまたみがく | 渡邊 真央 |
| 歯科検診医者と蚊が見る口の中 | 二宮 怜 |
| 受け付けの白ユリ香る歯科医院 | 宮井 桃歌 |
| 星月夜鏡をにらむフロスかな | 日高 隆介 |
| 歯をおいたへちまの根元に水をやる | 宮崎 陽向 |
| 海の音歯ブラシの音8人分 | 越智 優華 |
| まだ知らない虫歯の痛み春の川 | 德井 智行 |
| 前よりも増えたゴーヤと甥の歯と | 須之内 真琴 |
| 歯磨き粉少ししょっぱい夏の朝 | 真鍋 華奈 |
| 今日だけは歯みがきしたくなる月夜 | 福岡 日向子 |
| 春風に押され吹かれて行く歯医者 | 関谷 安里紗 |
| 屋根に投ぐ乳歯やオリオンの隣 | 大元 寿馬 |
| 歯をみがくリズムが同じ母と父 | 松本 采子 |
| ねぎ食べるむしゃむしゃ食べる歯がグリーン | 山本 涼太 |
| 五月晴笑う口から歯がポロリ | 中岡 明咲子 |
| 老鶯(ろうおう)やすきっ歯の口笛の音 | 赤瀬 友里 |
| 弟の世話やき夏至の歯をみがく | 赤松 瞳 |
| 歯を磨く夏の上腕二頭筋 | 森田 欣也 |
| 親不知抜くは祭りがすんでから | 高須賀 眞美子 |
| 二本の歯嬰(やや)が見せれば山笑う | 山本 久美子 |
| 臨終の入れ歯を戻す暮の春 | 後藤 紀美子 |
| 寝たきりの母の歯磨く外は雪 | 菅 伸明 |
| モナリザの歯は如何ならん秋思かな | 野澤 均 |
| 大安の歯の直る日や秋日和 | 藤原 謙治 |
| 稚児(ややこ)の歯乳房に触れて温かし | 徳井 春美 |
| あとなんぼんぬけたらにゅうがくしきですか | 栗田 想生 |
| 歯と爪の丈夫なところはじーちゃん似 | 大野 美由紀 |
| 「に」の口で写る白い歯春の風 | 田中 ゆかり |
<主催>
愛媛県歯科医師会
<後援>
愛媛県
愛媛県教育委員会
松山市
愛媛新聞社
朝日新聞松山総局
毎日新聞松山支局
読売新聞松山支局
産経新聞松山支局
NHK松山放送局
南海放送
テレビ愛媛
あいテレビ
愛媛朝日テレビ
FM愛媛
リビングまつやま
タウン情報まつやま
愛媛こまち