第11回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、28,232句ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。3歳のお子様から99歳の方まで、一句一句に歯や口の健康へのさまざまな想いがこめられ、感性豊かな作品の数々でした。
表彰式は平成26年11月9日、松山市総合コミュニティセンターにて開催されました。なお「はぴか大賞」は、夏井いつき先生の選によって優秀賞に選ばれた15句の中から、表彰式当日、会場に集まってくださった約200名の方々の投票により決定いたしました。
第11回「はぴかちゃん歯いく大賞」には、28,232句ものたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。3歳のお子様から99歳の方まで、一句一句に歯や口の健康へのさまざまな想いがこめられ、感性豊かな作品の数々でした。
表彰式は平成26年11月9日、松山市総合コミュニティセンターにて開催されました。なお「はぴか大賞」は、夏井いつき先生の選によって優秀賞に選ばれた15句の中から、表彰式当日、会場に集まってくださった約200名の方々の投票により決定いたしました。
「ぬけたは」は小さな乳歯でしょう。毎日丁寧に磨いてきた乳歯がある日突然抜けるということは、子どもにとって大きな事件です。
抜けたばかりの乳歯は、瑞々しい色をしています。眼前にむくむくと育つ入道雲のかけらがそこにあるかのような透明感です。さっきまで自分の歯であったものをしげしげと眺める好奇心、まるで「にゅうどうぐものかけら」みたいだよという発想力が、こんなに瑞々しい作品になりました。小さな「は」と大きな「にゅうどうぐも」の遠近感が、一句の映像をしっかりと創り上げます。
「かがみ」を見ながら歯を磨く習慣が、「おくばのめいろのぞく」という詩句を生み出しました。最後の最後に「秋」という季語がコロンと転がりでてくる語り口が、なんだかおしゃれな作品です。
「ぬけたは」を大切にとっておきたいと思うのが子ども心というものです。「ぬけたはを入れた」透明な「カプセル」を空へかざせば、明るい「夏の風」が吹き渡るような愉快な気持ちになります。
「歯みがきコップ九つ」は家族でしょうか、夏のキャンプでしょうか、クラス全員で九人なのかもしれないなあ。「九つ並ぶ」という描写の後に広がる「夏の星」が美しくも楽しい夜です。
「鬼監督の前歯は金」という描写が実に愉快です。怒る度に笑う度に「前歯」がキラリンと光る「鬼監督」。季語「夏果てる」から、高校野球の監督を想像したのですが、皆さんはいかがですか?
「スマッシュ」という一語からテニスを想像しました。足を踏ん張り腰を落とし、一気に振り抜くときの「力」は「奥歯」にも及びます。季語「炎天」の力強さが「奥歯へ力」の語句を支えます。
夜お風呂に入る前の「父と子」でしょうか、夏のキャンプや海の家での一場面でしょうか。「歯磨き」をするのに「素裸」になる必要はないのですが、なんとも爽快な「父と子」の「歯磨き」です。
昔「林檎を噛むと血がでませんか」というCMがありましたが、それを逆に語ればこんな一句になるんですね。「~こと」のリフレインが、実に健康的で美味しそうな「林檎」を表現しています。
「歯」という一語を使わないで、このテーマに挑んでいることを誉めたい作品です。「涼し」という夏の季語の力を信じてきらりと言い放ったところに、作品としての大人びた味わいがあります。
「八重歯よりひねくれている」のは何でしょうか、誰でしょうか。「八重歯」みたいにひねくれている思春期の心を、自分なりに肯定的に受け止めているのが、「夏を行く」という表現に読み取れます。
「行水」はタライでの水浴び、「御腰」は腹巻きという昔の女性の肌着です。水浴びするのに「入れ歯」まで外す必要はないのですが、これも女の身だしなみでしょうか。一読爆笑の作品でした。
「皓歯」は真っ白い歯です。「海の子」の日焼けの肌に「皓歯」が光ります。行く夏を惜しむかのように絶え間なく打ち寄せる波。「晩夏の海」のひかりが「海の子」のシルエットを彩ります。
就職戦線でしょうか、推薦入学の面接かもしれませんね。「内定の決め手」となったのが、自慢の「前歯」であったとは!という愉快な作品。秋の季語「爽やか」の使い方も巧いですね。
「歯ブラシ」を替えたことと「木の実」を拾ったこととは何の関係もないのですが、このように並べることで、喜びともよべない小さな喜びのかけらが、一句の世界にきらきらと満ちてきます。
「歯みがき」する視線に入ってきたのが、さっきまで食べてた「パン」の屑。続いて、その「パンくず」を運んでいる「蟻」も発見。3分間の「歯みがき」で発見した小さな出来事がその場で一句に!
作者の名前が読み込まれているのが楽しい作品です。「白いゆり」みたいな真っ白な歯になれるよう、「しろいゆり」みたいに心の清らかな人になれるよう、日々歯磨きに励むゆりちゃんです。
「かみしめる」「たべる」と動詞を並べることで、歯の存在を暗示します。「はにかむ」は恥ずかしがることでありつつ、「歯に噛む」という漢字を連想させるのも、作者ひなさんの愉快な企みかも!?
「歯軋りの嚙める歯欲しや」という詩句そのものにも可笑しみがあるのですが、下五「大相撲」で場面がはっきり見えてくるのが巧いなあ!ご贔屓の力士の黒星に思わず「歯軋り」したい淳さんです。
755のリズムになっている17音。「無芸大食」は自嘲の言葉ではありますが、「長老」と呼ばれて頼りにされる自負も含んでいるのでしょう。季語「冬の空」がどっしりと一句を支えます。
ふでばこにぬけたはいれるなつのかぜ | 山田 章太朗 |
痛みを知らぬ歯科の熱帯魚 | 八塚 陽向 |
妹の歯がたがついたズッキーニ | 高市 雄飛 |
上下の歯いつも仲よし秋の空 | 今岡 孝太郎 |
真っ白な入道雲にかぶりつく | 高魚 涼 |
若葉風ちょっぴりこわい歯医者さん | 山本 航太 |
夏の日のみずぎのあととえいきゅうし | 神野 あいり |
前ば二本ぬけてむかえる夏休み | 河本 亘生 |
犬の歯はとがっていたそう夏の雨 | 越智 恋 |
チェックするかがみの光夏の風 | 毛利 都雅 |
あきの空はをくいしばり一とうしょう | 加藤 帆乃夏 |
クワガタの歯はどこにあるここにある | 曽我 武士 |
はみがきだしゃかしゃかしゃかしゃかかぶとむし | 土居 翔太 |
ピカピカにみがく入道雲の白 | 羽藤 れいな |
雷が歯を食いしばっておこってる | 宮本 剛匡 |
かえせかえせわたしのはがた夏の朝 | 菊池 真琴 |
あまがえるいっしょにはみがきできるかな | 浅井 健太朗 |
目高にもちゃんと歯がある月涼し | 二宮 翔 |
あきのせみぼくはおとなのはがさんぼん | 中野 太智 |
わがはいがはをみがいたらにじかかる | 栗田 想生 |
レモン切る明日抜ける歯大人色 | 栗田 暖乃 |
はいしゃにはいきたくないよ夏の風 | 渡邊 椿 |
はがぬけたわらったかおがひやけした | 田村 百々花 |
夏まつりフランクフルトかむおく歯 | 増原 悠希 |
歯が抜けた姉の晴れ舞台運動会 | 河野 良夢 |
風鈴をはなれし音と磨く音 | 藤﨑 佳乃 |
星涼し水平線まで歯を磨く | 善家 天平 |
合奏のかみ合わぬ音秋の蝉 | 岡田 真巳 |
翡翠やまばたきしたらぬけてた歯 | 西尾 太陽 |
美しき歯と共に在り宵月夜 | 大熊 悠介 |
歯ならびを治すアプリを捜す春 | 山本 七海 |
パセリ嚙む弟の歯の白さかな | 輪違 典子 |
白き歯の少年兵士晩夏光 | 大瀬戸 絢子 |
歯ブラシが七色そろう帰省かな | 正岡 志織 |
月涼し八重歯以外は母に似ず | 河野 佑芽 |
卒業の歯は思い出のごとく白 | 菊池 海成 |
僕の歯の補色は夏の夜の闇 | 髙橋 凜太朗 |
六月や虹の色した歯みがき粉 | 村上 安里沙 |
白百合や「今から抜歯」とメールする | 宮井 桃歌 |
弟の怪しい八重歯夏の夜 | 岡本 明華 |
歯磨き粉少し大人の夏の雨 | 髙橋 絵梨沙 |
炎昼や地層のサメの歯の白き | 下岡 和也 |
旅立ちの歯に新涼の透き通る | 栗田 歩 |
流星を見つけし子等の歯の白き | 竹本 太祐 |
西瓜かむ歯に血液の流れたる | 大元 寿馬 |
空蝉や風吹きぬける虫歯かな | 石原 悠人 |
永久歯キャベツの水の巡りたる | 石丸 響子 |
あばら骨砕く奥歯や初嵐 | 吉田 哉汰 |
宵闇に育つヴァンパイアの犬歯 | 鈴村 直樹 |
五月雨にぬれしみる歯みがき | 今村 唯菜 |
裏山や歯磨きしかと鵙猛る | 徳井 春美 |
真っ白な歯と歯の会話風薫る | 和田 正 |
共に歯が丈夫で秋のフルムーン | 稲井 達夫 |
花束のごとき歯ブラシ帰省かな | 菊地 真理 |
歯ならびを誉められながむ草相撲 | 梶野 知子 |
歯ブラシの整列したる今朝の冬 | 鎌田 早紀 |
笑顔の歯見せて留学休暇明 | 安藤 眞澄 |
恐竜の歯並び綺麗風光る | 松本 だりあ |
初秋や阿修羅は皓歯かと思ふ | 能瀬 京子 |
くいしばるあなたは虹をみるように | 半木 るん |
夏草や窓全開に朝日噛む | 岡田 ルミ子 |
生え揃ふ歯の真つ白に今年米 | 三浦 歳惠子 |
歯ブラシはそれぞれの色今朝の秋 | 松田 かをり |
アメリカのでかい歯ブラシ秋高し | 村重 香霞 |
反抗期の歯ブラシそっと変えて秋 | 鈴村 美恵 |
仰向けに鰯雲見る歯科の窓 | 喜多 加代子 |
爽やかや入れ歯の母のよく食べる | 吉田 美知子 |
頭上から届く歯科医の声薄暑 | 吉田 実 |
夏空へ向けてひっぱる子の乳歯 | 山田 ゆかり |
冬星生まれよ私の歯になれよ | 奥村 幸二 |
歯ブラシを二つ選んで今朝の春 | 川又 夕 |
歯ブラシを持ってエアコン前整列 | 阿部 有真 |
歯は命だからゼリーはワイン色 | 中崎 孝行 |
歯を磨く夏の前髪整えつ | 森田 欣也 |
先生の歯ブラシが指す巣箱かな | 竹本 桂子 |
<主催>
愛媛県歯科医師会
<後援>
愛媛県
愛媛県教育委員会
松山市
愛媛新聞社
朝日新聞松山総局
毎日新聞松山支局
読売新聞松山支局
産経新聞松山支局
NHK松山放送局
南海放送
テレビ愛媛
あいテレビ
愛媛朝日テレビ
FM愛媛
リビングまつやま
タウン情報まつやま
愛媛こまち