歯科医院で作成するカスタムメイドタイプとスポーツ店等で販売されている既製タイプのものがあります。カスタムメイドタイプは歯科医院で歯型をとり作成するもので、適合もよく、その人とのニーズに合わせて作ることも可能です。
一方、既製品はお湯で軟化し口の中に入れて自分で合わせるものです。安価で入手も比較的に容易ですが、適合が悪く「落ちやすい」「呼吸しにくい」「発声しにくい」といった声が多く聞かれます。
歯科医院で作成するカスタムメイドタイプとスポーツ店等で販売されている既製タイプのものがあります。カスタムメイドタイプは歯科医院で歯型をとり作成するもので、適合もよく、その人とのニーズに合わせて作ることも可能です。
一方、既製品はお湯で軟化し口の中に入れて自分で合わせるものです。安価で入手も比較的に容易ですが、適合が悪く「落ちやすい」「呼吸しにくい」「発声しにくい」といった声が多く聞かれます。
お湯で軟化し、口の中に入れ、自分で成型するもので、市販されているものはこのタイプが多いようです。左の写真は、近所のスポーツ店で購入したものです。使用説明書などはなく、成型するのは困難で熟練を要します。
値段 1,000円前後~3,000円
歯科医院で作成します。歯型をとって石膏模型を作り、この模型に加熱軟化したシートを専用の機械で圧接します。口の形に合わせてシートを切り出し、模型上で上下の噛み合わせをチェックし、完成させます。実際に口の中に入れてみて、再度噛み合わせをチェックします。手間がかかりますが、ぴったり合うマウスガードができます。
使用するシートの枚数の違いにより、モノレイヤーとラミネートの2種類があります。モノレイヤーは1枚のシートで作ります。ラミネート(積層)は2枚以上のシートを用います。ラミネートの方が設計の自由度が高く、個々のプレイヤーの要望に答えることができます。
<来院回数>
概ね2回で出来上がります。
<値段>
自費診療になるため、個々の医院によって異なりますが、5,000円~20,000円が多いようです。ラミネートタイプの方が手間がかかりますので、値段も高くなります。
作製方法
作製方法
カスタムメイドタイプに使われるシートは現在のところ、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)が最も多いのですが、このEVAシートを使用した場合、コンタクトスポーツでは、衝撃を吸収性を発揮するには、最も衝撃を受けやすい前歯部唇側で3mmの厚みが必要であるといわれています。
3mmのシートを用いてもシート圧接の際に、引き伸ばされることにより、厚みは3mm以下になります。したがって、モノレイヤーの場合はコンタクトスポーツの場合、4mmのシートの使用が原則となります。しかし、厚みが4mm以上のシートを用いた場合、衝撃吸収に必要な前歯部の厚みは確保されますが、それ以外の部分も厚くなり、人によっては装着感が悪くなってしまいます。
これはラミネートタイプを用いると解決できます。衝撃吸収に十分な厚みが必要な前歯部のみを2枚にし、他の部分を1枚の厚さにします。具体的にいいますと、2mmのシートを用いて前歯部唇側を覆うのシートを作っておきます。そのシートを模型にセットし、その上から2mmの全体を覆うシートを圧接します。こうすると前歯部唇側のみ4mm、臼歯部は2mmのマウスガードが出来、装着感のいいものになります。また、圧接するシートを2層にすることで、ある部分のみ厚くしたり、薄くしたりすることで、設計の自由度が高まり、プレイヤーの様々なニードに答えられるようにもなります。
マウスガード普及を妨げる要素に呼吸しにくい、発音しにくい、顎が疲れるといった装着感の悪さがあります。これは、大部分が既製のタイプを使用した際の感想です。宮澤らが高校のラグビー部員に行った調査によると、既製タイプを使用していた部員に対し、厚さ3.8mmのモノレイヤーカスタムメイドマウスガードを作製し使用させたところ、装着感の悪さはほとんどなくなったと報告しています。
このように既製タイプは、安価で入手が簡単ですが、装着感が悪いだけでなく、衝撃吸収の面でも疑問ですので、お勧めできません。
モノレイヤーとラミネートの使い分けについては、機能面、装着感の面でもモノレイヤーで十分ですが、さらに、機能、装着感を追及する人はラミネートがいいでしょう。マウスガード初心者は、まず慣れるために、薄めのモノレイヤーから始めることをお勧めします。
マウスガードは吸水性が高く、色やにおいがつきやすい性質をもっていますので、使用後は水洗し、乾燥した状態でケースに入れて保管してください。
また、熱で変形しやすいので、お湯につけたり、高温になる場所に置いておくのは避けてください。
参考文献