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いろ歯にほへと

愛媛新聞に掲載記事のバックナンバー

平成14年2月 第3週

『スキーシーズンですが・・・・』 衝突・転倒、折れてもすぐ治る

まだ寒い日が続きますね。皆さんも絶好のウインタースポーツシーズンとばかりに、スキー、スケート、スノーボードなど楽しんでいらっしゃることでしょう。

しかし、この時期になると、ウインタースポーツの最中に事故を起こし、足にギプスを巻いたり松葉杖を使ったりしている方を時折見かけるようになります。自分で転倒した、あるいは他のプレイヤーと衝突した場合等が多い様なのですが、このように楽しいはずのスポーツにもかかわらず、ケガをする人が多いのも事実です。

ウインタースポーツが原因で起きるケガは、歯や口も例外ではありません。それでは歯医者さんが受け持つケガについて考えてみましょう。

まず考えられるのは、唇や歯ぐきや口の中の粘膜など、軟らかい組織に受ける傷です。清潔な水や食塩水で口をゆすぎ、歯科医院を受診しましょう。

次に歯に力が加わった場合です。この時に多いのが歯の破折(歯の一部分が欠けた状態)です。歯の欠けた部分が小さければ、欠けた歯を接着剤でくっつけたり、白いプラスチックを詰めたりするだけで治ります。歯の欠けたところが大きい時には神経をとって治療する場合もあります。

もっと強い力が歯に加わってくると、歯がグラグラ動いてきます。でもご安心ください。歯医者さんで適切な処置をしてもらえば、グラグラ動いていた歯も安定し、また使えるようになります。

さらにもっと強い力が加わると、歯が抜け落ちてしまう時もあります。このような場合でも、ひどいむし歯や歯周病にかかっていない健全な歯なら抜けたところに植えなおせる可能性がありますので、抜けた歯を牛乳や口の中に入れて歯医者さんに急ぎましょう。

いずれにしても、打撲や外傷で歯が折れたり歯がグラグラ動いたり抜け落ちたりしたら、すぐに歯科医院に行くことが大切です。そうすれば歯の抜け落ちた人にもほんの1~2ヶ月で明るい笑顔が戻ることでしょう。

しかしながら命にかかわるケガや手足に大きなケガを受けていると、どうしてもそちらの治療が先になりますので、残念ながら歯の処置が後回しになってしまうのが現状です。そのために、口の中のケガを予防することが考えられてきました。ボクシングや格闘技ではお馴染みですが、近年では「マウスガード」とよばれる口の中を保護する装置をつけることで、スポーツ時のケガをへらすのに役立つことがわかってきました。今、世界ではアメフト、サッカー、ラグビー、野球などのスポーツで広く使われています。ウインタースポーツだけにかかわらずスポーツをこよなく愛する方は、お口のケガ予防のためにかかりつけの歯医者さんに相談して、あなたの口にぴったりフィットするマウスガードを作ってもらってはいかがでしょうか。

平成14年2月18日(月)
愛媛新聞生活欄16面掲載