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いろ歯にほへと

愛媛新聞に掲載記事のバックナンバー

平成14年1月 第1週

お口を健康に快適な生活に不可欠

新年あけましておめでとうございます。

あなたは美味しいものを本当に美味しく食べていますか?

食事をする時、食器が割れていたり汚れていれば、せっかくの御馳走も台無しです。それ以上に、食事を楽しむ為には私達の口が、とても大切な役割を果たしているのです。口の構造は軟らかい粘膜や、身体の内で最も硬く無機質に近いエナメル質など複雑で変化に富み、デリケートでとても敏感な器官の一つです。 

例えば、指で触ってもわからないような細かい睫毛でさえ、口の中ではたちどころに察知する事ができ、御丁寧にも舌を使って口の外へ取り除くことすら簡単にやってのけます。また、ようやく目で見えるような小さな粒でさえ、口の中へ入れば瞬時に塩であるか砂糖であるか知ることが出来ます。これほど敏感な口の中が、汚れていたり、歯周病やムシ歯に侵されていればどうなるのでしょうか?!

口の中が血や膿の混じった濁った味にさらされ、食事の度に歯はぐらつき、冷たいものや温かいものがしみたり痛みが生じるようでは、本来食べ物が持っている純粋な味や香りを知る事や、微妙な歯ごたえや口当たりを楽しむ事が出来るはずもありません。私達は、口のコンディションを良好に保つ事により、食べると言う行為を単なる生命維持活動としてだけではなく、精神的な満足を得るものとし、更に現代社会を代表する文化の一つにまで発展させているのです。 

このような多彩な働きをする口は、更に私達の生活を円滑にするコミュニケーションや愛情表現の手段としても活用され、また、チャームポイントとしても重要な位置を占めています。 

ことわざの中に美男美女の条件を形容するときに「明眸皓歯」という言葉をよく使います。これは、明るい瞳と白い歯ということです。確かに初めての異性に会うと、全身を素早くチェックし、サッと顔全体を見、まず目を見て次いで口を見て再度チラッと目を見、もう一度口をじっくり見るそうです。つまり、口元はとても個性が出やすく感情も現しやすい特別な魅力を持っているところなのです。 

初めてのデートの時に意中の人の歯が汚かったり、ひどい口臭がすれば興醒めしてしまいますよね。かといって、口元をかばった様な笑い方をされれば何か暗く不自然な感じを受けて大きなイメージダウンとなってしまいます。やはり、美しい歯をアピールする、ジュリア・ロバーツの様な微笑みの方が自然で魅力的であり、知性も感じさせてくれます。 

私達はこの素晴らしい器官である口を健康で美しく保つことによって、初めて生まれながらに持ち合わせている様々な可能性をより高め、楽しく快適な生活を得ることが出来るのではないのでしょうか。

平成14年1月7日(月)
愛媛新聞生活欄20面掲載