近年、社会的にも問題となっている骨粗鬆症については、多くの骨粗鬆症患者が無自覚のまま、骨折の危険のある状態で生活しているといわれています。
わが国の骨粗鬆症患者は約 1,200 万人と推定されており、なかでも大腿骨頚部(足の付け根)の骨折患者は 1987 年の全国調査では年間約 5 万人、2002 年の調査では約 12 万人と急速に増加しています。
骨粗鬆症になると、転倒などにより脊椎骨折、大腿骨骨折が起こり、寝たきり状態になることがあります。(寝たきりの原因として、骨粗鬆症(約 20%)は、脳血管障害(約 70%)についで2番目に多い)
また、歯科においては骨粗鬆症と診断された方の 90%以上が重度の歯周病(歯槽膿漏)にかかるとの報告、閉経後女性では高度の骨粗鬆症患者ほど早期に総入れ歯になるとの報告があります。
従って、骨粗鬆症のために骨折を起こす可能性が高い方を早期に診断し有効な予防手段を講じることは健康寿命を延ばすため極めて重要なことです。